No.40


アイ・アム・ア・ヒーロー

探鉱者
 式が終わり、全員は一度教会を後にした。花嫁と花婿は途中で道を外れて控室へと引っ込んでいく。うっすらとした靄に掻き消され二人の姿は見えなくなる。荘園の主が宴会の食事を準備してくれているらしいと誰かが話しているのを聞いた。ノートンは参列者が形成する列から静かに離れた。誰も気が付かない。そのまま一人である場所へと行く。
 暫く歩いていると控室として使っている小屋に着いた。あまり人の気配はない。誰かが花嫁や花婿の世話をしている訳でもないらしい。不用心だな。そう思いながら何処か好都合だと笑う。頭上で鳥が鳴いた。扉の一つをノックする。どうぞ、と言われて入ると、花嫁は古いが高価そうなイスに座っていた。ハンターでも少し大きいかと思わせるほどの大きな布張りの椅子に花嫁はすっぽりと収まっている。未だ純白のドレスを着た儘だ。足が痛いのか白いハイヒールを脱いでいる。興奮のせいか化粧のせいかかなり血色が良い。何となく、寂れたこの部屋の中で輝いているように見えた。少し眩しくてノートンは目を細める。

「あれ、ノートンさん、どうしたの?」

 白い世界の中でいつもの飾り気のない声がする。ちょっとね、とノートンは曖昧に答えてみせた。扉に鍵は付いていない。まあ良いかと扉を静かに閉じる。ヘルメットを外し、近くのテーブルに置いた。広くない部屋にはノートン(奪うもの)花嫁(奪われるもの)の二人だけだ。

「綺麗だね」

 過剰に掛けられたであろう言葉を言うと花嫁ははにかむ。ありがとうと恐らく言い慣れた音を紡ぐ。ノートンはゆっくりと花嫁に近寄った。歩く度に古い床がみしりと音を立てる。
 花嫁をの隣に立つと、花嫁はちょっと疲れちゃったの子供っぽく笑う。ノートンは何の気なしにウェディングドレスの裾を手に取ってみる。あまり布の価値は解らないが、滑らかな手触りや光沢より高価なものだろうとは解った。裾を持ちあげられたことで花嫁の華奢な素足が見える。ストッキングなどを履いていないのか、と少し驚く。殴ったら折れてしまいそうな白い足先が赤くなっている。じっと見ていれば、歩きなれない靴だからと恥ずかしそうに指先を丸めさせた。顔を近付けさせる。なるほど爪が割れてほんの少し出血している。

「ウィルは気付かなかったの?」

 この世界から取り除いてしまいたい(親友)の名を紡ぐ。この世界から連れ去りたい女を見上げれば、女は恥ずかしそうに目を伏せながら己の頬に触れる。

「私が気付かなかったの、この部屋について初めて痛いなぁって……」

 ふぅん、と詰まらなさそうな声がノートンの口から漏れ出た。ちょっとごめんねと一言言ってから膝を着き、左足を両手で丁寧に持ってやる。恥ずかしいよと花嫁が言う。引かれそうになったが、力で固定してやる。やがて諦めたのか大人しくなる。何も塗られていない足の爪の先は、乾いた血が付着している。ノートンは視線を爪先からゆっくり上へとやった。膝から上は布でよく見えない。向こう脛に青痣ができている。いつかのゲームのときに怪我でもしたのだろう。ノートンは手袋を脱いで床に落とした。ささくれた指で怪我の周りをなぞる。少女の肌はしっとりとしていた。

「良いね、こういうの」

 どういうの、とこれから起こるだろうことに気付かない花嫁にノートンは笑いかける。花嫁はつられてにこりと笑い返す。
 馬鹿だな、と言葉がストンと落ちた。ノートンは前触れもなく、花嫁の足を上へと引っ張った。花嫁の身体がずれ落ち、椅子の座面に仰向けになる。ノートンはごく当たり前のように花嫁に覆いかぶさる。花嫁は驚きの余り目を見開き、薄く口が開いていた。

「びっくりした?」

 そう問えば花嫁はぎこちなく頷く。ノートンは掌で少女の頬を撫でる。びくびくと怖がっている事を掌で感じ、可笑しくて吹き出してしまいそうだ。 
 もしも、このままごめんねと口先でも謝って離れればきっと何事も無く終わるだろう。だが、ノートンはやめるつもりはこれっぽっちもなかった。ただ、跡形もなく踏み躙ってやりたいのだ。二人にとって最高の幸福な思い出になるはずの今日と言う日を、荘園に来てからずっと気に掛けてくれた親友の気持ちを、細やかなことがきっかけで恋をしてしまった少女を。

「ねぇ、」

 静かな声で名前を囁く。少女は不安そうな顔をしているもののノートンをじっと見守っているだけだ。ノートンは、恋人たちがするように顔を寄せさせた。少女はぎくり震え、ノートンと自身の顔の間に手を滑り込ませた。ノートンの唇が少女の掌に触れる。苛立ちを含ませた目で見てやれば少女が後退ろうとした。だが、背後は椅子の背もたれがあるために何処にもいけない。

「何を、するの……?」

 恐る恐ると少女が尋ねる。ノートンが答える前に、何をするつもりなの、と矢継ぎ早に言葉を紡ぐ。その目には疑心があった。

「何って……性行為?」

 そう言って、ノートンは首を傾げさせる。もっと良い言葉がある筈だ。ノートンの視界には顔を引きつらせている少女が映っている。それを見て何処か馬鹿にしたい気持ちになる。にたり、と下卑た笑顔を浮かべさせた。逃げようとする細い腰を捉える。過剰な布が邪魔だ。

「セックス。子作り。交尾。愛の営み……うーん、子作り、が良いかな」

 ノートンはこれからする行為が愛の営みと称したいとは思わなかった。ただの欲望を一方的にぶちまけているだけだと理解し、弁えている。確かに少女からの愛は欲しいと言えばかなり欲しいものだ。だがそれを得られるとは思っていない。だから、奪う事にした。蹂躙する事にした。台無しにすることにした。人生で一番幸福な筈の日に、愛した男以外の男の精液を腹に溜め込んでしまえ。うっかり間違えて子供が出来てしまえば良い。もしかしたら自分が吐き出した精子だけで出来た子かもしれない。少女が愛する男は、確か思ったよりも熱心に神を信仰している。従って生を受けた子を殺しはしないだろう。情念で出来た、余所の男の種から出来た子を、望まれない子を、我が子の顔をして育てるのだろうか。そう思えば少し愉快だ。これは復讐だ。ウィリアムに対する、少女に対する、世界に対する復讐だ。
 少女が小さな掌で何度もノートンの肩を押し退けようとする。無駄なことだ。やめて、さわらないで、と拒絶の詞が飛んで来る。心地良い音だ。支配欲が擽られる。少女のウエディングドレスの構造が良く解らないので裾に手を入れて滑らかな足を撫でてやる。布が邪魔だ。脚をばたつかせるが力で安易に抑え込むことが出来る。足の付け根を押さえてやればぐきりと関節が鳴った。少女の目からはらはらと零れた涙は色付いた肌を濡らしていく。舌先で拭ってやれば塩っぱい味がした。やめて、助けてと響く言葉が可愛くて、つい笑みを深くしてしまう。

「――ウィリアム、」

 一番聞きたくなかった単語を、拾ってしまった。ノートンはほとんど無意識に少女の頬を片手で挟む。真っ直ぐと睨みつけてやれば、少女の目は恐怖と驚愕で彩られていることに気が付く。
 だからどうした、俺はそんなものよりも程度も期間も大きかった。
 頬から手を放してやればひぐ、と細い喉が鳴る。虐められた子供のような顔なんかして、とノートンは少女に対して吐き捨てたい衝動に駆られる。
 ノートンは乱暴な手付きで少女の下着を引っ張って脱がせる。レースで出来たそれからいくつかの糸が千切れる音がした。足から抜かせた下着を丸め、少女の口の中に突っ込んでやる。くぐもった声が愉快だ。逆立った神経がすっと落ち着いていく。可哀想に、と舌の上で思ってもない言葉を転がす。

「ウィルとはもうセックスした?」

 言葉を投げると少女は目を見開く。したの、と再度尋ねればふいと顔を逸らされる。薄い胸が呼吸する度上下する。何かのおもちゃのように見えた。穢れの知らない新雪のような胸元を、指の腹でさらりと撫でる。怖がるようにびくりと震える事も愉快だ。

「……未だなんだ」

 ふぅん、とノートンは呟く。都合の良い解釈をして、口許ににんまりと弧を描かせる。意外だね、とあまりにも身勝手に言葉を落とす。鼻歌を歌いながら滑らかな手触りのする脚を撫で上げる。すっかり縮こまった身体は大した抵抗もできない。はは、と乾いた笑い声が落ちた。
 指先で何度か溝をなぞったが余り濡れていない。そうだろうなと思いながら乾いた指先を自身の口に含ませ、唾液を満遍なくまぶせる。乾いたそこに指を突き立てれば苦しそうにくぐもった声がする。身体を固くさせて、ぶるぶると大袈裟に震わせている。いかにも可哀想な生き物に見えた。異物を追い出そうとする肉襞を無視をして指をずぽずぽと抜き差しを繰り返す。やがて強張った肉襞は柔らかなものとなる。親指で自己主張をし始めた肉芽を弾いてやれば悦い色の声を出す。きゅうっと物欲しげに締め付けられ、狭いそこに早く捻じ込んでやりたい衝動になる。陰核を押しつぶしたり弾いたりを繰り返せば少女は何度も首を横に振る。逃げるように引いた腰を掴んで執拗に指の腹を押し付けてやる。抽挿を繰り返す指の動きは滑らかなものになっていく。ぐちゅぐちゅと水音が跳ねる音が部屋で反響する。

「ぐッ、ん! ん、ん゛、」
「いいよ、イっても」

 爪を立ててやれば肉襞がきつく指を締め付け弛緩する。ノートンは直ぐにもう一本指を捻じ込ませた。非難するかのように声を上げられたが知らない振りだ。陰核を軽く推してやれば絶頂に追いやられた身体は軽い絶頂を何度も繰り返しているらしい。涙やら鼻水、唾液やらで顔はいつの間にかぐちゃぐちゃになっていた。とても可愛い生き物に見えた。嗜虐心が楽しそうに産声を上げる。嘘だ、それは元から存在しているものだ。

「ヴっ、む゛ッ! ん゛ぅ、」

 指を動かすたびに少女は喉を仰け反らせ、がくがくと震える。皮膚が薄いのか胸元までうっすらピンク色に染まっている。ノートンは重点的に臍側の部分を突いてやりながら親指で陰核を弾いてやる。苦しそうな声が酷く心地良い音に聞こえた。

「〰〰っ♡ ッぶ、んぐ、ゥ、ふ、ン゛んッ♡」
「声、聞かせて」

 捩じ込んだ下着を口から取ってやる。唾液をたっぷりと吸い込んで少し重量感がある。そのまま余所へ放ってやった。瞬間にいや、と少女の口からはっきりとした拒絶の言葉が飛び出る。
 何が嫌なもんか。さっきまで気持ち良さそうに悦がっていたくせに。
 憎たらしさを覚えながら腫れ上がった陰核の根本をきつく抓ってやる。

「っあ゛、ァ、〰〰ッ!♡♡ ――も、ぉ゛っ♡ やだっ、」

 細い手を捉えて張り詰めた陰茎を握り込ませる。息を呑んだ少女の手を一層自分の陰茎に押し付けさせた。怯えた顔をする少女にノートンは悪意を持って笑いかける。脳味噌はどこか、良く眠れた日のようにすっきりとしていた。肥大し過ぎた欲と感情だ。やめて、と震えた声が縋るように言う。馬鹿だなとノートンは目を細めさせた。緩やかに手を上下させる。先走りで濡れたそこから水音がする。

「俺はずっと、ずっと前からこういうことをしたかったよ」

 恐らく、少女にとっての死刑宣告だったろう。悲しそうな目と合った。本当にそうであれば良い。俺はもっと前から心臓を貫かれていた。被害者振った顔が出る。
 手を離させて溝に亀頭を擦り付けてやればぬるぬると良く滑る。指で陰唇を割開けばひくひくと期待で震える膣口が見えた。

「ひッ、や、やだ! ゃ、んン゛っ♡」

 雁で陰核を引っ掛けてやれば甘えたような声で啼く。誰にでもそうしたのだろうか、よく他の男たちはこの子を手放したものだなと思う。柔くなった膣口に亀頭を押し付ける。キスでもしてるみたいだとふざけた言葉が落ちる。ノートンはにたりと笑った。同時に泣きたいような感情を覚えた。

「種付け、してあげる。嬉しいよね、子供、すきだよね」
「うれひくなっ、ぁあっ!や゛、〰〰ッ♡ ぃや! やだ、やめて、よぉ!」

 腰を推し進めればゆっくりとしかし確実に陰茎を呑み込んでいく。ノートンは衝動のままに腰を前後に動かす。自分が気持ちよくなる為の動きだ。少女のことなんてこれっぽっちも考えていない。当たり前だ、加害者のことなんて考えてやる必要はない。
 やめてと泣き叫ぶ少女を力で押さえつけるのは酷く興奮した。やめるもんか。やめてやるもんか。嬉しくなかろうが望んでなかろうがそんなものは関係ない。出来てしまえば良い。いや、孕ませる。大っぴらに言えない子供を孕ませてやる。そうすれば、ずっと二人の人生に嫌な影を落とすことが出来る。子供を見てない間でも自分のことを否が応でも思い出すようになる。二人の人生に、濃い闇が落ちてしまえば良い。そんな生半可なもので済ませてやるもんか。二人の人生が地獄になれば良い。生きながら『どうして』を付き纏わせてしまえば良い。死ぬ直前まで『どうして』を抱えていれば良い。
 中に一度精液を吐き出してやる。それでも興奮は冷めやらない。死んでしまえば良い。死んでしまおう。手放したくない。手放すくらいなら皆死んでしまえば良い。そんな感情がはっきりと輪郭を持つ。この瞬間のみは自分だけのものだという独占欲が満たされる反面、これが終わらなければ良いのにと黒く滲んだ子供じみた感情が呟く。
 纏わりつく布が鬱陶しい。刃物でもあれば少しは短く出来ただろうか、いや切ったとしても多分何処かで飽きてしまうだろう。張りのある布を掻き分け細い腰を引っ掴み、柔らかい肉筒を乱暴に擦りあげる。肉袋が迫り上がり、射精が近いことを知る。

「ぉ゛っ♡ 〰〰ォ゛ひっ、ぎッ♡ ィ゛あっ、ァ゛、」
「――はっ、孕めよ、孕んでしま、ァあ゛ッ……♡」

 ノートンの口の端からだらりと唾液が落ちる。尿道に残る精液を一滴残らず出そうと、膣壁に精液を馴染ませるようにと、イヌみたいにへこへこと腰を前後に揺する。肉襞の一つひとつが萎びた陰茎に吸い付き、甘やかす。落ち着きかけた筈なのにまた鎌首を擡げようとする。白い胸元に顔を寄せた。汗の匂いに混じって甘い匂いがする。香水か、彼女の体臭にかは分からない。柔らかな肌に唇を押し付け、跡を残す。綺麗に纏められた藁の山を、踏んで蹴って散らかした気持ちになる。もう一つ、と後を残す。強く吸いすぎたせいで痛々しい痕だ。
 だから何だ、俺はもっと痛かった。
 指の腹で痕跡をなぞりながら脳味噌の内側で叫ぶ。
 愛の言葉の代わりに、大丈夫かと囁いた。少女は肩で何度も呼吸を繰り返す。乱れた髪を指で漉いてやる。恋人みたいな気持ちになる。だが、顔に唇を寄せさせるとふいと反らされた。細い二本の手は抵抗することを思い出す。ノートンは細い顎を掴み、口紅が取れた唇を貪る。呼吸の為か否定の言葉を紡ぐ為に開いた口に舌を捩じ込み、蹂躙した。歯列をなぞり、奥で縮こまる舌に絡ませる。厚みの薄い舌はあっさりと捕らえられる。水音と、唇を離す合間に呼吸音が響く。やだ、と自分以外の男の名が絶え絶えに聞こえる。腹立ち紛れに意識的に子宮口に目掛けて突き上げてやれば敏感になった肉襞がびくびくと震えて弛緩する。また絶頂に達したのだろう。どぷりと重たい愛液が奥から溢れて肌を濡らす。嘲りながらゆるゆると腰を揺らして刺激する。あ、あ、と馬鹿みたいにただ声を零す。馬鹿みたいだと、ノートンは嗤った。少女も、自身も、この空間も、何も知らない人たちさえも。
 不意に、ノック音が響いた。ノートンは動きを止める。唇を離し、顔を上げて振り返る。二人が性行為をしていることを証明する証人が来たのだ。口角が自然と上がる。

「なぁ、大丈夫か?」

 ウィリアムの声だ。いつまで経っても来ない花嫁に心配して来たのだろう。少女が解りやすく強張る。興奮を落ち着かせようと吐き出した息は、酷く湿っていて熱かった。

「見せつけてやろうか」

 潜めた声で囁くときゅうっ、と膣がよく締まる。ノートンは呻いて、くつくつと喉を震わせた。やめて、と言うように少女は首を横に振る。両目からはらはらと新しい涙が零れ落ちる。被害者振りやがってと酷い言葉が顔を出す。そもそも二人が結婚しなければ、恋人にならなければ、友達にならなければ、出会わなければ、産まれなければ、自分だってこんなことしなかった。

「……たすけて、」

 集中していなければ拾い損ねるほどに小さな声だった。それは誰に乞うたのか。眼前にいる純潔を食い散らかした男なのか、扉の外にいる一生添い遂げると誓ったばかりの男なのか、はたまた何処にもおらず何もしてくれない神なのか。
 扉が勢いよく開かれた。本当に、こういうときの勘は鋭いらしい。いや、でも手遅れだ。唯一の出入り口には、白い燕尾服に身を包ませたもう一人の主役が愕然とした表情で立っている。ジャケットは脱いでおり、同じ良い生地で仕立てられたベストが似合っている。ノートンの歪な孤を描かせた口から、早いね、と言葉が落ちる。
 ウィリアムの顔がみるみるうちに赤く、険しいものになっていく。いつか見たことのある顔だ。それは仲間(自身)に対してではなく、卑劣なハンターに向けられたものだったが。それはそうだろう、愛して止まない女が自身の下で余所の男の手によって泣かされ犯されあられもない姿となっているのだから。
 ウィリアムが地面を蹴った。右手はきつく拳を握っている。
 ノートンは来るであろう衝撃を予測した。腰をひくと、ぬぼ、と間抜けな音がする。泥濘から抜けたのに、まだ背筋はぞくぞくと震えている。そして、ただ笑った。ウィリアムを真っ直ぐと見て、自然と笑った。

2023/07/30
『幸福 の 最果て にて』2020/06/21発行close

 式が終わり、全員は一度教会を後にした。花嫁と花婿は途中で道を外れて控室へと引っ込んでいく。うっすらとした靄に掻き消され二人の姿は見えなくなる。荘園の主が宴会の食事を準備してくれているらしいと誰かが話しているのを聞いた。ノートンは参列者が形成する列から静かに離れた。誰も気が付かない。そのまま一人である場所へと行く。
 暫く歩いていると控室として使っている小屋に着いた。あまり人の気配はない。誰かが花嫁や花婿の世話をしている訳でもないらしい。不用心だな。そう思いながら何処か好都合だと笑う。頭上で鳥が鳴いた。扉の一つをノックする。どうぞ、と言われて入ると、花嫁は古いが高価そうなイスに座っていた。ハンターでも少し大きいかと思わせるほどの大きな布張りの椅子に花嫁はすっぽりと収まっている。未だ純白のドレスを着た儘だ。足が痛いのか白いハイヒールを脱いでいる。興奮のせいか化粧のせいかかなり血色が良い。何となく、寂れたこの部屋の中で輝いているように見えた。少し眩しくてノートンは目を細める。

「あれ、ノートンさん、どうしたの?」

 白い世界の中でいつもの飾り気のない声がする。ちょっとね、とノートンは曖昧に答えてみせた。扉に鍵は付いていない。まあ良いかと扉を静かに閉じる。ヘルメットを外し、近くのテーブルに置いた。広くない部屋にはノートン(奪うもの)花嫁(奪われるもの)の二人だけだ。

「綺麗だね」

 過剰に掛けられたであろう言葉を言うと花嫁ははにかむ。ありがとうと恐らく言い慣れた音を紡ぐ。ノートンはゆっくりと花嫁に近寄った。歩く度に古い床がみしりと音を立てる。
 花嫁をの隣に立つと、花嫁はちょっと疲れちゃったの子供っぽく笑う。ノートンは何の気なしにウェディングドレスの裾を手に取ってみる。あまり布の価値は解らないが、滑らかな手触りや光沢より高価なものだろうとは解った。裾を持ちあげられたことで花嫁の華奢な素足が見える。ストッキングなどを履いていないのか、と少し驚く。殴ったら折れてしまいそうな白い足先が赤くなっている。じっと見ていれば、歩きなれない靴だからと恥ずかしそうに指先を丸めさせた。顔を近付けさせる。なるほど爪が割れてほんの少し出血している。

「ウィルは気付かなかったの?」

 この世界から取り除いてしまいたい(親友)の名を紡ぐ。この世界から連れ去りたい女を見上げれば、女は恥ずかしそうに目を伏せながら己の頬に触れる。

「私が気付かなかったの、この部屋について初めて痛いなぁって……」

 ふぅん、と詰まらなさそうな声がノートンの口から漏れ出た。ちょっとごめんねと一言言ってから膝を着き、左足を両手で丁寧に持ってやる。恥ずかしいよと花嫁が言う。引かれそうになったが、力で固定してやる。やがて諦めたのか大人しくなる。何も塗られていない足の爪の先は、乾いた血が付着している。ノートンは視線を爪先からゆっくり上へとやった。膝から上は布でよく見えない。向こう脛に青痣ができている。いつかのゲームのときに怪我でもしたのだろう。ノートンは手袋を脱いで床に落とした。ささくれた指で怪我の周りをなぞる。少女の肌はしっとりとしていた。

「良いね、こういうの」

 どういうの、とこれから起こるだろうことに気付かない花嫁にノートンは笑いかける。花嫁はつられてにこりと笑い返す。
 馬鹿だな、と言葉がストンと落ちた。ノートンは前触れもなく、花嫁の足を上へと引っ張った。花嫁の身体がずれ落ち、椅子の座面に仰向けになる。ノートンはごく当たり前のように花嫁に覆いかぶさる。花嫁は驚きの余り目を見開き、薄く口が開いていた。

「びっくりした?」

 そう問えば花嫁はぎこちなく頷く。ノートンは掌で少女の頬を撫でる。びくびくと怖がっている事を掌で感じ、可笑しくて吹き出してしまいそうだ。 
 もしも、このままごめんねと口先でも謝って離れればきっと何事も無く終わるだろう。だが、ノートンはやめるつもりはこれっぽっちもなかった。ただ、跡形もなく踏み躙ってやりたいのだ。二人にとって最高の幸福な思い出になるはずの今日と言う日を、荘園に来てからずっと気に掛けてくれた親友の気持ちを、細やかなことがきっかけで恋をしてしまった少女を。

「ねぇ、」

 静かな声で名前を囁く。少女は不安そうな顔をしているもののノートンをじっと見守っているだけだ。ノートンは、恋人たちがするように顔を寄せさせた。少女はぎくり震え、ノートンと自身の顔の間に手を滑り込ませた。ノートンの唇が少女の掌に触れる。苛立ちを含ませた目で見てやれば少女が後退ろうとした。だが、背後は椅子の背もたれがあるために何処にもいけない。

「何を、するの……?」

 恐る恐ると少女が尋ねる。ノートンが答える前に、何をするつもりなの、と矢継ぎ早に言葉を紡ぐ。その目には疑心があった。

「何って……性行為?」

 そう言って、ノートンは首を傾げさせる。もっと良い言葉がある筈だ。ノートンの視界には顔を引きつらせている少女が映っている。それを見て何処か馬鹿にしたい気持ちになる。にたり、と下卑た笑顔を浮かべさせた。逃げようとする細い腰を捉える。過剰な布が邪魔だ。

「セックス。子作り。交尾。愛の営み……うーん、子作り、が良いかな」

 ノートンはこれからする行為が愛の営みと称したいとは思わなかった。ただの欲望を一方的にぶちまけているだけだと理解し、弁えている。確かに少女からの愛は欲しいと言えばかなり欲しいものだ。だがそれを得られるとは思っていない。だから、奪う事にした。蹂躙する事にした。台無しにすることにした。人生で一番幸福な筈の日に、愛した男以外の男の精液を腹に溜め込んでしまえ。うっかり間違えて子供が出来てしまえば良い。もしかしたら自分が吐き出した精子だけで出来た子かもしれない。少女が愛する男は、確か思ったよりも熱心に神を信仰している。従って生を受けた子を殺しはしないだろう。情念で出来た、余所の男の種から出来た子を、望まれない子を、我が子の顔をして育てるのだろうか。そう思えば少し愉快だ。これは復讐だ。ウィリアムに対する、少女に対する、世界に対する復讐だ。
 少女が小さな掌で何度もノートンの肩を押し退けようとする。無駄なことだ。やめて、さわらないで、と拒絶の詞が飛んで来る。心地良い音だ。支配欲が擽られる。少女のウエディングドレスの構造が良く解らないので裾に手を入れて滑らかな足を撫でてやる。布が邪魔だ。脚をばたつかせるが力で安易に抑え込むことが出来る。足の付け根を押さえてやればぐきりと関節が鳴った。少女の目からはらはらと零れた涙は色付いた肌を濡らしていく。舌先で拭ってやれば塩っぱい味がした。やめて、助けてと響く言葉が可愛くて、つい笑みを深くしてしまう。

「――ウィリアム、」

 一番聞きたくなかった単語を、拾ってしまった。ノートンはほとんど無意識に少女の頬を片手で挟む。真っ直ぐと睨みつけてやれば、少女の目は恐怖と驚愕で彩られていることに気が付く。
 だからどうした、俺はそんなものよりも程度も期間も大きかった。
 頬から手を放してやればひぐ、と細い喉が鳴る。虐められた子供のような顔なんかして、とノートンは少女に対して吐き捨てたい衝動に駆られる。
 ノートンは乱暴な手付きで少女の下着を引っ張って脱がせる。レースで出来たそれからいくつかの糸が千切れる音がした。足から抜かせた下着を丸め、少女の口の中に突っ込んでやる。くぐもった声が愉快だ。逆立った神経がすっと落ち着いていく。可哀想に、と舌の上で思ってもない言葉を転がす。

「ウィルとはもうセックスした?」

 言葉を投げると少女は目を見開く。したの、と再度尋ねればふいと顔を逸らされる。薄い胸が呼吸する度上下する。何かのおもちゃのように見えた。穢れの知らない新雪のような胸元を、指の腹でさらりと撫でる。怖がるようにびくりと震える事も愉快だ。

「……未だなんだ」

 ふぅん、とノートンは呟く。都合の良い解釈をして、口許ににんまりと弧を描かせる。意外だね、とあまりにも身勝手に言葉を落とす。鼻歌を歌いながら滑らかな手触りのする脚を撫で上げる。すっかり縮こまった身体は大した抵抗もできない。はは、と乾いた笑い声が落ちた。
 指先で何度か溝をなぞったが余り濡れていない。そうだろうなと思いながら乾いた指先を自身の口に含ませ、唾液を満遍なくまぶせる。乾いたそこに指を突き立てれば苦しそうにくぐもった声がする。身体を固くさせて、ぶるぶると大袈裟に震わせている。いかにも可哀想な生き物に見えた。異物を追い出そうとする肉襞を無視をして指をずぽずぽと抜き差しを繰り返す。やがて強張った肉襞は柔らかなものとなる。親指で自己主張をし始めた肉芽を弾いてやれば悦い色の声を出す。きゅうっと物欲しげに締め付けられ、狭いそこに早く捻じ込んでやりたい衝動になる。陰核を押しつぶしたり弾いたりを繰り返せば少女は何度も首を横に振る。逃げるように引いた腰を掴んで執拗に指の腹を押し付けてやる。抽挿を繰り返す指の動きは滑らかなものになっていく。ぐちゅぐちゅと水音が跳ねる音が部屋で反響する。

「ぐッ、ん! ん、ん゛、」
「いいよ、イっても」

 爪を立ててやれば肉襞がきつく指を締め付け弛緩する。ノートンは直ぐにもう一本指を捻じ込ませた。非難するかのように声を上げられたが知らない振りだ。陰核を軽く推してやれば絶頂に追いやられた身体は軽い絶頂を何度も繰り返しているらしい。涙やら鼻水、唾液やらで顔はいつの間にかぐちゃぐちゃになっていた。とても可愛い生き物に見えた。嗜虐心が楽しそうに産声を上げる。嘘だ、それは元から存在しているものだ。

「ヴっ、む゛ッ! ん゛ぅ、」

 指を動かすたびに少女は喉を仰け反らせ、がくがくと震える。皮膚が薄いのか胸元までうっすらピンク色に染まっている。ノートンは重点的に臍側の部分を突いてやりながら親指で陰核を弾いてやる。苦しそうな声が酷く心地良い音に聞こえた。

「〰〰っ♡ ッぶ、んぐ、ゥ、ふ、ン゛んッ♡」
「声、聞かせて」

 捩じ込んだ下着を口から取ってやる。唾液をたっぷりと吸い込んで少し重量感がある。そのまま余所へ放ってやった。瞬間にいや、と少女の口からはっきりとした拒絶の言葉が飛び出る。
 何が嫌なもんか。さっきまで気持ち良さそうに悦がっていたくせに。
 憎たらしさを覚えながら腫れ上がった陰核の根本をきつく抓ってやる。

「っあ゛、ァ、〰〰ッ!♡♡ ――も、ぉ゛っ♡ やだっ、」

 細い手を捉えて張り詰めた陰茎を握り込ませる。息を呑んだ少女の手を一層自分の陰茎に押し付けさせた。怯えた顔をする少女にノートンは悪意を持って笑いかける。脳味噌はどこか、良く眠れた日のようにすっきりとしていた。肥大し過ぎた欲と感情だ。やめて、と震えた声が縋るように言う。馬鹿だなとノートンは目を細めさせた。緩やかに手を上下させる。先走りで濡れたそこから水音がする。

「俺はずっと、ずっと前からこういうことをしたかったよ」

 恐らく、少女にとっての死刑宣告だったろう。悲しそうな目と合った。本当にそうであれば良い。俺はもっと前から心臓を貫かれていた。被害者振った顔が出る。
 手を離させて溝に亀頭を擦り付けてやればぬるぬると良く滑る。指で陰唇を割開けばひくひくと期待で震える膣口が見えた。

「ひッ、や、やだ! ゃ、んン゛っ♡」

 雁で陰核を引っ掛けてやれば甘えたような声で啼く。誰にでもそうしたのだろうか、よく他の男たちはこの子を手放したものだなと思う。柔くなった膣口に亀頭を押し付ける。キスでもしてるみたいだとふざけた言葉が落ちる。ノートンはにたりと笑った。同時に泣きたいような感情を覚えた。

「種付け、してあげる。嬉しいよね、子供、すきだよね」
「うれひくなっ、ぁあっ!や゛、〰〰ッ♡ ぃや! やだ、やめて、よぉ!」

 腰を推し進めればゆっくりとしかし確実に陰茎を呑み込んでいく。ノートンは衝動のままに腰を前後に動かす。自分が気持ちよくなる為の動きだ。少女のことなんてこれっぽっちも考えていない。当たり前だ、加害者のことなんて考えてやる必要はない。
 やめてと泣き叫ぶ少女を力で押さえつけるのは酷く興奮した。やめるもんか。やめてやるもんか。嬉しくなかろうが望んでなかろうがそんなものは関係ない。出来てしまえば良い。いや、孕ませる。大っぴらに言えない子供を孕ませてやる。そうすれば、ずっと二人の人生に嫌な影を落とすことが出来る。子供を見てない間でも自分のことを否が応でも思い出すようになる。二人の人生に、濃い闇が落ちてしまえば良い。そんな生半可なもので済ませてやるもんか。二人の人生が地獄になれば良い。生きながら『どうして』を付き纏わせてしまえば良い。死ぬ直前まで『どうして』を抱えていれば良い。
 中に一度精液を吐き出してやる。それでも興奮は冷めやらない。死んでしまえば良い。死んでしまおう。手放したくない。手放すくらいなら皆死んでしまえば良い。そんな感情がはっきりと輪郭を持つ。この瞬間のみは自分だけのものだという独占欲が満たされる反面、これが終わらなければ良いのにと黒く滲んだ子供じみた感情が呟く。
 纏わりつく布が鬱陶しい。刃物でもあれば少しは短く出来ただろうか、いや切ったとしても多分何処かで飽きてしまうだろう。張りのある布を掻き分け細い腰を引っ掴み、柔らかい肉筒を乱暴に擦りあげる。肉袋が迫り上がり、射精が近いことを知る。

「ぉ゛っ♡ 〰〰ォ゛ひっ、ぎッ♡ ィ゛あっ、ァ゛、」
「――はっ、孕めよ、孕んでしま、ァあ゛ッ……♡」

 ノートンの口の端からだらりと唾液が落ちる。尿道に残る精液を一滴残らず出そうと、膣壁に精液を馴染ませるようにと、イヌみたいにへこへこと腰を前後に揺する。肉襞の一つひとつが萎びた陰茎に吸い付き、甘やかす。落ち着きかけた筈なのにまた鎌首を擡げようとする。白い胸元に顔を寄せた。汗の匂いに混じって甘い匂いがする。香水か、彼女の体臭にかは分からない。柔らかな肌に唇を押し付け、跡を残す。綺麗に纏められた藁の山を、踏んで蹴って散らかした気持ちになる。もう一つ、と後を残す。強く吸いすぎたせいで痛々しい痕だ。
 だから何だ、俺はもっと痛かった。
 指の腹で痕跡をなぞりながら脳味噌の内側で叫ぶ。
 愛の言葉の代わりに、大丈夫かと囁いた。少女は肩で何度も呼吸を繰り返す。乱れた髪を指で漉いてやる。恋人みたいな気持ちになる。だが、顔に唇を寄せさせるとふいと反らされた。細い二本の手は抵抗することを思い出す。ノートンは細い顎を掴み、口紅が取れた唇を貪る。呼吸の為か否定の言葉を紡ぐ為に開いた口に舌を捩じ込み、蹂躙した。歯列をなぞり、奥で縮こまる舌に絡ませる。厚みの薄い舌はあっさりと捕らえられる。水音と、唇を離す合間に呼吸音が響く。やだ、と自分以外の男の名が絶え絶えに聞こえる。腹立ち紛れに意識的に子宮口に目掛けて突き上げてやれば敏感になった肉襞がびくびくと震えて弛緩する。また絶頂に達したのだろう。どぷりと重たい愛液が奥から溢れて肌を濡らす。嘲りながらゆるゆると腰を揺らして刺激する。あ、あ、と馬鹿みたいにただ声を零す。馬鹿みたいだと、ノートンは嗤った。少女も、自身も、この空間も、何も知らない人たちさえも。
 不意に、ノック音が響いた。ノートンは動きを止める。唇を離し、顔を上げて振り返る。二人が性行為をしていることを証明する証人が来たのだ。口角が自然と上がる。

「なぁ、大丈夫か?」

 ウィリアムの声だ。いつまで経っても来ない花嫁に心配して来たのだろう。少女が解りやすく強張る。興奮を落ち着かせようと吐き出した息は、酷く湿っていて熱かった。

「見せつけてやろうか」

 潜めた声で囁くときゅうっ、と膣がよく締まる。ノートンは呻いて、くつくつと喉を震わせた。やめて、と言うように少女は首を横に振る。両目からはらはらと新しい涙が零れ落ちる。被害者振りやがってと酷い言葉が顔を出す。そもそも二人が結婚しなければ、恋人にならなければ、友達にならなければ、出会わなければ、産まれなければ、自分だってこんなことしなかった。

「……たすけて、」

 集中していなければ拾い損ねるほどに小さな声だった。それは誰に乞うたのか。眼前にいる純潔を食い散らかした男なのか、扉の外にいる一生添い遂げると誓ったばかりの男なのか、はたまた何処にもおらず何もしてくれない神なのか。
 扉が勢いよく開かれた。本当に、こういうときの勘は鋭いらしい。いや、でも手遅れだ。唯一の出入り口には、白い燕尾服に身を包ませたもう一人の主役が愕然とした表情で立っている。ジャケットは脱いでおり、同じ良い生地で仕立てられたベストが似合っている。ノートンの歪な孤を描かせた口から、早いね、と言葉が落ちる。
 ウィリアムの顔がみるみるうちに赤く、険しいものになっていく。いつか見たことのある顔だ。それは仲間(自身)に対してではなく、卑劣なハンターに向けられたものだったが。それはそうだろう、愛して止まない女が自身の下で余所の男の手によって泣かされ犯されあられもない姿となっているのだから。
 ウィリアムが地面を蹴った。右手はきつく拳を握っている。
 ノートンは来るであろう衝撃を予測した。腰をひくと、ぬぼ、と間抜けな音がする。泥濘から抜けたのに、まだ背筋はぞくぞくと震えている。そして、ただ笑った。ウィリアムを真っ直ぐと見て、自然と笑った。

2023/07/30
『幸福 の 最果て にて』2020/06/21発行close

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