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Novel pkmn 今日はえいえんの最初の日(シンオウでウォロと再会/完結)
1 / 2 / 3 / 4 tt5 !+さよならの練習を(男主とオフェンスが過ごす真夏の話/現パロ/完結)
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さよならの練習を05
オフェンスウィリアムが折れたために{{ namae }}はウィリアムと二人で出掛けることにした。と言ってもウィリアムが他者に見られないようにするために深夜に人気のない公園に行くことにした。日中、浮かれた気持ちで{{ namae }}は昼食を買うついでに線香花火を買い物かごに入れる。あまり派手な花火だと人が来ると思ったためだ。ライターと白い蝋燭などもかごにいれた。それからお気に入りの果実酒も一本、もう一本と入れる。出入口付近に置いている花を見て、{{ namae }}はそれにも手を伸ばした。
部屋に戻り、購入したものをトートバッグに入れていく。そんなに楽しみか、と笑うウィリアムに{{ namae }}は頷いた。ウィリアムと何かを出来るという事実がもう既に楽しいのだ。ウィリアムに繋がれた赤い紐も忘れないように、離してしまわないようにトートバッグにきつく結わえる。
「俺は皆とワイワイした方が楽しいと思うけどなぁ」
ウィリアムのその感性は{{ namae }}には理解できない。{{ namae }}のとって皆というのは親しい人だけだ。{{ namae }}にとって親しい人はほんの少しの人たちだ。だがウィリアムにとっての親しい人とは、{{ namae }}の親しい人よりも数倍の数なのだろう。{{ namae }}は一生理解できないし、理解しようとも思わない。
{{ namae }}はウィリアムの言葉に返事はせずにグラスにお酒を入れては飲んでいく。
「お前、そんなに飲んで大丈夫か?」
「だいじょーぶ、そのうち分解される」
そうじゃないとウィリアムが咎める。{{ namae }}はウィリアムの言葉に耳を貸さない。あっという間に酒瓶一本を空にする。{{ namae }}が少し体を動かせば、ぐらりと大袈裟に世界が揺れる。怖いものは何もない気がした。気がするだけだ。少し考えて、もう一本、と瓶を開ける。ウィリアムがやめとけよと忠告した、ような気がした。
{{ namae }}がふと気付いた頃には部屋は真っ暗闇だった。酒をいつもよりも多い量を飲むと記憶がふつふつと途切れることがある。時計を見て、時間を確認する。いい塩梅だ。
「行くかぁ」
{{ namae }}はそう言って立ち上がり、あらかじめ準備していたものたちを手に取った。
草木も眠る深夜二時頃に公園に来ていた。家から左程遠い所ではない。草が生い茂るそこを懐中電灯で照らしながら進んでいく。公園の裏側にある地蔵に手を合わせて金属製のバケツを借りる。それに水を張った。誰かは起きているのか、アパートの部屋の電気がところどころに点いている。それでも誰かと擦れ違うことが無いために、まるで世界は自分だけのように錯覚をする。
道路側に面したところを見れば、花が置いてある。交通事故注意と書かれた看板の文字が、街頭に照らされている。{{ namae }}はカバンから取り出した、梅酒の入ったワンカップに口を付ける。梅の爽やかな香りと甘い味がじんと舌を痺れさせた。トートバッグから飲みもしないチューハイなどを取り出し、置いていく。ぶつ、ぶつ、と壊れかけたゲーム機のように視界が一瞬途切れる。{{ namae }}は気が付くとその場に座り込んでいた。ぷん、と蚊の飛ぶ音がする。耳の側で何度もその音がする。ああ、と{{ namae }}は言葉とともにアルコールを含んだ息を吐き出した。視界の端で赤い風船がゆらりと揺れる。
「線香、焚かないと」
{{ namae }}が独り言つ。トートバッグから取り出して火を点けた。それを空き瓶の中に置いて{{ namae }}は笑う。慣れ親しんだ匂いだ。ふ、ふ、と笑い声が零れる。線香の明かりが滲んでいる。飲み過ぎだと{{ namae }}はおかしくなった。
{{ namae }}は公園に戻り、蝋燭に火を点けた。コンクリートの所に蝋を垂らし、融けた蝋の上に蝋燭を立てる。酔っぱらってもうまくいくもんだなと思った。線香花火を取り出して、火を点ける。線香花火はぱちぱちと光と音を弾けさせながら煌めき方を変えていく。一緒に見たかった景色の一つだ。火薬のにおいが鼻腔を擽る。手がぶれて、すぐに火種が落ちた。燃えがらをバケツの中に抛る。じゅ、と小さな音が聞こえる。{{ namae }}は線香花火を取り出して、もう一度火を点ける。二、三本程駄目にしてから{{ namae }}はふと空を見た。頬に冷たいものが落ちる。
「雨、」
{{ namae }}の言葉に答えるように雨足はどんどん強くなる。{{ namae }}はトートバッグを掴んで屋根のあるアスレチックに移動した。帰らないと、とウィリアムの声がする。{{ namae }}は何度も横に首を振る。
「やだ、やだ。まだ遊びたい」
ぐずぐずと{{ namae }}が幼子のように洟を啜る。そんなこと言うなよというウィリアムの声が遠い。
酒のせいだ。酒のせいで記憶と現実と妄想とが混濁している。境界線を曖昧にさせている。もっと飲んでおけば良かった。飲まなければ良かった。正反対の感情がぶつかり混ざり合い、形がなくなる。
急に吐き気を覚えて{{ namae }}はふらつく足の儘、転びそうになりながらも駆け出した。口許を抑えて公園の周りを囲む側溝を見下ろす。金網のその下には水が流れる音がする。嘔吐いて、吐いた。側溝に吐瀉物が吸い込まれていく。何度も何度も{{ namae }}は嘔吐く。一頻り吐いたあと、{{ namae }}はどこかすっきりとした、何処か冷静な気分で吐瀉物を見る。
何で、こんな所にいるんだっけか。
2020/07/12
2022/06/07
ウィリアムが折れたために{{ namae }}はウィリアムと二人で出掛けることにした。と言ってもウィリアムが他者に見られないようにするために深夜に人気のない公園に行くことにした。日中、浮かれた気持ちで{{ namae }}は昼食を買うついでに線香花火を買い物かごに入れる。あまり派手な花火だと人が来ると思ったためだ。ライターと白い蝋燭などもかごにいれた。それからお気に入りの果実酒も一本、もう一本と入れる。出入口付近に置いている花を見て、{{ namae }}はそれにも手を伸ばした。
部屋に戻り、購入したものをトートバッグに入れていく。そんなに楽しみか、と笑うウィリアムに{{ namae }}は頷いた。ウィリアムと何かを出来るという事実がもう既に楽しいのだ。ウィリアムに繋がれた赤い紐も忘れないように、離してしまわないようにトートバッグにきつく結わえる。
「俺は皆とワイワイした方が楽しいと思うけどなぁ」
ウィリアムのその感性は{{ namae }}には理解できない。{{ namae }}のとって皆というのは親しい人だけだ。{{ namae }}にとって親しい人はほんの少しの人たちだ。だがウィリアムにとっての親しい人とは、{{ namae }}の親しい人よりも数倍の数なのだろう。{{ namae }}は一生理解できないし、理解しようとも思わない。
{{ namae }}はウィリアムの言葉に返事はせずにグラスにお酒を入れては飲んでいく。
「お前、そんなに飲んで大丈夫か?」
「だいじょーぶ、そのうち分解される」
そうじゃないとウィリアムが咎める。{{ namae }}はウィリアムの言葉に耳を貸さない。あっという間に酒瓶一本を空にする。{{ namae }}が少し体を動かせば、ぐらりと大袈裟に世界が揺れる。怖いものは何もない気がした。気がするだけだ。少し考えて、もう一本、と瓶を開ける。ウィリアムがやめとけよと忠告した、ような気がした。
{{ namae }}がふと気付いた頃には部屋は真っ暗闇だった。酒をいつもよりも多い量を飲むと記憶がふつふつと途切れることがある。時計を見て、時間を確認する。いい塩梅だ。
「行くかぁ」
{{ namae }}はそう言って立ち上がり、あらかじめ準備していたものたちを手に取った。
草木も眠る深夜二時頃に公園に来ていた。家から左程遠い所ではない。草が生い茂るそこを懐中電灯で照らしながら進んでいく。公園の裏側にある地蔵に手を合わせて金属製のバケツを借りる。それに水を張った。誰かは起きているのか、アパートの部屋の電気がところどころに点いている。それでも誰かと擦れ違うことが無いために、まるで世界は自分だけのように錯覚をする。
道路側に面したところを見れば、花が置いてある。交通事故注意と書かれた看板の文字が、街頭に照らされている。{{ namae }}はカバンから取り出した、梅酒の入ったワンカップに口を付ける。梅の爽やかな香りと甘い味がじんと舌を痺れさせた。トートバッグから飲みもしないチューハイなどを取り出し、置いていく。ぶつ、ぶつ、と壊れかけたゲーム機のように視界が一瞬途切れる。{{ namae }}は気が付くとその場に座り込んでいた。ぷん、と蚊の飛ぶ音がする。耳の側で何度もその音がする。ああ、と{{ namae }}は言葉とともにアルコールを含んだ息を吐き出した。視界の端で赤い風船がゆらりと揺れる。
「線香、焚かないと」
{{ namae }}が独り言つ。トートバッグから取り出して火を点けた。それを空き瓶の中に置いて{{ namae }}は笑う。慣れ親しんだ匂いだ。ふ、ふ、と笑い声が零れる。線香の明かりが滲んでいる。飲み過ぎだと{{ namae }}はおかしくなった。
{{ namae }}は公園に戻り、蝋燭に火を点けた。コンクリートの所に蝋を垂らし、融けた蝋の上に蝋燭を立てる。酔っぱらってもうまくいくもんだなと思った。線香花火を取り出して、火を点ける。線香花火はぱちぱちと光と音を弾けさせながら煌めき方を変えていく。一緒に見たかった景色の一つだ。火薬のにおいが鼻腔を擽る。手がぶれて、すぐに火種が落ちた。燃えがらをバケツの中に抛る。じゅ、と小さな音が聞こえる。{{ namae }}は線香花火を取り出して、もう一度火を点ける。二、三本程駄目にしてから{{ namae }}はふと空を見た。頬に冷たいものが落ちる。
「雨、」
{{ namae }}の言葉に答えるように雨足はどんどん強くなる。{{ namae }}はトートバッグを掴んで屋根のあるアスレチックに移動した。帰らないと、とウィリアムの声がする。{{ namae }}は何度も横に首を振る。
「やだ、やだ。まだ遊びたい」
ぐずぐずと{{ namae }}が幼子のように洟を啜る。そんなこと言うなよというウィリアムの声が遠い。
酒のせいだ。酒のせいで記憶と現実と妄想とが混濁している。境界線を曖昧にさせている。もっと飲んでおけば良かった。飲まなければ良かった。正反対の感情がぶつかり混ざり合い、形がなくなる。
急に吐き気を覚えて{{ namae }}はふらつく足の儘、転びそうになりながらも駆け出した。口許を抑えて公園の周りを囲む側溝を見下ろす。金網のその下には水が流れる音がする。嘔吐いて、吐いた。側溝に吐瀉物が吸い込まれていく。何度も何度も{{ namae }}は嘔吐く。一頻り吐いたあと、{{ namae }}はどこかすっきりとした、何処か冷静な気分で吐瀉物を見る。
何で、こんな所にいるんだっけか。
2020/07/12
2022/06/07
部屋に戻り、購入したものをトートバッグに入れていく。そんなに楽しみか、と笑うウィリアムに{{ namae }}は頷いた。ウィリアムと何かを出来るという事実がもう既に楽しいのだ。ウィリアムに繋がれた赤い紐も忘れないように、離してしまわないようにトートバッグにきつく結わえる。
「俺は皆とワイワイした方が楽しいと思うけどなぁ」
ウィリアムのその感性は{{ namae }}には理解できない。{{ namae }}のとって皆というのは親しい人だけだ。{{ namae }}にとって親しい人はほんの少しの人たちだ。だがウィリアムにとっての親しい人とは、{{ namae }}の親しい人よりも数倍の数なのだろう。{{ namae }}は一生理解できないし、理解しようとも思わない。
{{ namae }}はウィリアムの言葉に返事はせずにグラスにお酒を入れては飲んでいく。
「お前、そんなに飲んで大丈夫か?」
「だいじょーぶ、そのうち分解される」
そうじゃないとウィリアムが咎める。{{ namae }}はウィリアムの言葉に耳を貸さない。あっという間に酒瓶一本を空にする。{{ namae }}が少し体を動かせば、ぐらりと大袈裟に世界が揺れる。怖いものは何もない気がした。気がするだけだ。少し考えて、もう一本、と瓶を開ける。ウィリアムがやめとけよと忠告した、ような気がした。
{{ namae }}がふと気付いた頃には部屋は真っ暗闇だった。酒をいつもよりも多い量を飲むと記憶がふつふつと途切れることがある。時計を見て、時間を確認する。いい塩梅だ。
「行くかぁ」
{{ namae }}はそう言って立ち上がり、あらかじめ準備していたものたちを手に取った。
草木も眠る深夜二時頃に公園に来ていた。家から左程遠い所ではない。草が生い茂るそこを懐中電灯で照らしながら進んでいく。公園の裏側にある地蔵に手を合わせて金属製のバケツを借りる。それに水を張った。誰かは起きているのか、アパートの部屋の電気がところどころに点いている。それでも誰かと擦れ違うことが無いために、まるで世界は自分だけのように錯覚をする。
道路側に面したところを見れば、花が置いてある。交通事故注意と書かれた看板の文字が、街頭に照らされている。{{ namae }}はカバンから取り出した、梅酒の入ったワンカップに口を付ける。梅の爽やかな香りと甘い味がじんと舌を痺れさせた。トートバッグから飲みもしないチューハイなどを取り出し、置いていく。ぶつ、ぶつ、と壊れかけたゲーム機のように視界が一瞬途切れる。{{ namae }}は気が付くとその場に座り込んでいた。ぷん、と蚊の飛ぶ音がする。耳の側で何度もその音がする。ああ、と{{ namae }}は言葉とともにアルコールを含んだ息を吐き出した。視界の端で赤い風船がゆらりと揺れる。
「線香、焚かないと」
{{ namae }}が独り言つ。トートバッグから取り出して火を点けた。それを空き瓶の中に置いて{{ namae }}は笑う。慣れ親しんだ匂いだ。ふ、ふ、と笑い声が零れる。線香の明かりが滲んでいる。飲み過ぎだと{{ namae }}はおかしくなった。
{{ namae }}は公園に戻り、蝋燭に火を点けた。コンクリートの所に蝋を垂らし、融けた蝋の上に蝋燭を立てる。酔っぱらってもうまくいくもんだなと思った。線香花火を取り出して、火を点ける。線香花火はぱちぱちと光と音を弾けさせながら煌めき方を変えていく。一緒に見たかった景色の一つだ。火薬のにおいが鼻腔を擽る。手がぶれて、すぐに火種が落ちた。燃えがらをバケツの中に抛る。じゅ、と小さな音が聞こえる。{{ namae }}は線香花火を取り出して、もう一度火を点ける。二、三本程駄目にしてから{{ namae }}はふと空を見た。頬に冷たいものが落ちる。
「雨、」
{{ namae }}の言葉に答えるように雨足はどんどん強くなる。{{ namae }}はトートバッグを掴んで屋根のあるアスレチックに移動した。帰らないと、とウィリアムの声がする。{{ namae }}は何度も横に首を振る。
「やだ、やだ。まだ遊びたい」
ぐずぐずと{{ namae }}が幼子のように洟を啜る。そんなこと言うなよというウィリアムの声が遠い。
酒のせいだ。酒のせいで記憶と現実と妄想とが混濁している。境界線を曖昧にさせている。もっと飲んでおけば良かった。飲まなければ良かった。正反対の感情がぶつかり混ざり合い、形がなくなる。
急に吐き気を覚えて{{ namae }}はふらつく足の儘、転びそうになりながらも駆け出した。口許を抑えて公園の周りを囲む側溝を見下ろす。金網のその下には水が流れる音がする。嘔吐いて、吐いた。側溝に吐瀉物が吸い込まれていく。何度も何度も{{ namae }}は嘔吐く。一頻り吐いたあと、{{ namae }}はどこかすっきりとした、何処か冷静な気分で吐瀉物を見る。
何で、こんな所にいるんだっけか。
2020/07/12
2022/06/07
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