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Novel pkmn 今日はえいえんの最初の日(シンオウでウォロと再会/完結)
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tt5 !+さよならの練習を(男主とオフェンスが過ごす真夏の話/現パロ/完結)
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夢なら醒まして忘れた

アオキ
 コラーゲン大放出。それが、アオキが{{ namae }}に対する初めての感想だった。
 アオキが{{ namae }}を初めて見たのはもう数年前になる。行きつけの店である宝食堂で給仕をしていた。見ない顔ですね、と料理長に雑談として話せば期間限定の看板娘さと得意そうに話された。宝食堂の料理長曰く、{{ namae }}は学生とのことだった。普段は進学のために他の地方にある学校に通い、今は長期休暇で戻っているらしい。要するに短期間のアルバイトだ。料理長がたまたま{{ namae }}の母親と親しく、常連であったために短期で雇う話になったらしい。
 何かお決まりですか、と{{ namae }}に尋ねられる。アオキは初めて{{ namae }}を直視した。怖いものなんかないと言わんばかりの眼。つるつるの頬。頭巾から覗く手触りの良さそうな髪。
 アオキが{{ namae }}を見れば見るほど、子供のときに飲んだ炭酸ゼリー飲料を髣髴させた。それと同時に、何処か諦めにも似た感情があーあ、と溜息を吐いた。その時アオキは何と答えたかあまり覚えていない。
 暫くすると{{ namae }}の姿が見えなくなった。宝食堂はいつも通りの営業だ。ただそれだけであるのに、何となく寂しいような感情を覚えた。暫くすると{{ namae }}は帰省をして、短期で勤めることとなった。{{ namae }}がいると周りはぱっと明るくなった。若いって良いよねぇ華があるよねぇという常連の雑談を、良い人とかそろそろいないのと料理長が{{ namae }}に放った雑談を、アオキはちっとも面白くもないのに笑い声を上げた。{{ namae }}はいつでも無敵そうな顔をして、あははと声を上げて笑っていただけだった。
 {{ namae }}が勤めている間に、アオキはジムリーダーとしてバトルをすることが一度だけあった。いつもの時間外労働はいつもと変わらず酷く煩わしい。挑戦者が全員見込みのある人ならば少しは血もたぎっただろう。だが、そう言った人物は一つまみほどでしかない。多くの場合、他のジムリーダーたちと同様に乾いた時間でしかない。空腹感にカウンターを見れば{{ namae }}と目が合う。丸い目はきらきらと輝いている。子供のときに見たゼリー飲料と同じくらいかそれ以上だ。テラスタルジュエルよりも、ずっと。
 そう言えば、今日が最後の出勤だと別の客に話していたことを思い出した。
 大部分に属する無味なバトルを終え、アオキは焼きおにぎりを注文した。隣に誰か座る。顔を上げれば私服の{{ namae }}だ。お疲れ様でーすと軽い口調で話した{{ namae }}は、料理長にレモンをトッピングした焼きおにぎりを頼んでいる。料理長がおつかれさんと言いながら{{ namae }}の所に甘いカフェオレが入った缶を置いた。

「アオキさんのバトル、今日初めて見ました」
「そう、でしたか……」

 凄い人なんですねと{{ namae }}は楽しそうに話す。凄いと称賛されてもあまり実感が湧かない。はぁ、と曖昧な返事に留める。お待ちどお、と渡された、大量の焼きおにぎりを乗せた皿を受け取る。醤油の香ばしい香りが鼻腔をくすぐり、食欲が一層湧く。

「そう言えば、今日で終わりなんですよね」

 アオキが切りだせば{{ namae }}は一時的ですけどねと笑った。お疲れ様です、と軽く会釈をすれば、{{ namae }}は缶コーヒーを握った手でピースサインを突き出している。

「来年も宝食堂にいるんでまた来てくださいね」

 {{ namae }}の言葉に、彼女は次は四年生か卒業するんじゃないか、口振りからして四年生なのだろうか、とアオキの脳味噌はどうにもならない答えを弾き出していく。次こそ良い人連れて来なさいよと料理長が言っていた軽口を思い出す。いなかったら自分が立候補するようなことを言っていた他の客の戯言が脳裏を過る。

「{{ namae }}さん、そんな風に気軽に約束を取り付けてはいけない」

 思ったよりも、強い口調だった。アオキは慌てて自身の口許を掌で覆った。吐いた言葉は二度と戻って来ない。周囲の人たちは然程気にしていないようだ。{{ namae }}はきょとんとした顔をしている。

「そういうもんなんですか?」
「……そういうもんなんです」

 ふぅん、と良く解っていないような声を上げている。親心のようなものですと、アオキは咄嗟に付け加えた。自分が親であることも彼女が子供であることも一度も思ったことなんかないのに。心配性なんですねと{{ namae }}はからからと笑っている。アオキはそれ以上何かを言うのは諦めた。黙って焼きおにぎりを食べることにした。
 少しして{{ namae }}にも焼きおにぎりが渡される。味噌汁も注文していたらしく、温かそうな湯気を立てる味噌汁を美味しそうに飲んでいる。
 アオキはそれを横目に香ばしい焼きおにぎりを口に運んでいく。きっと彼女の歩く道は多岐に渡り、それでも明るい道なのだろう。彼女は何処までもきらきらと輝いていた。

2023/01/07
 コラーゲン大放出。それが、アオキが{{ namae }}に対する初めての感想だった。
 アオキが{{ namae }}を初めて見たのはもう数年前になる。行きつけの店である宝食堂で給仕をしていた。見ない顔ですね、と料理長に雑談として話せば期間限定の看板娘さと得意そうに話された。宝食堂の料理長曰く、{{ namae }}は学生とのことだった。普段は進学のために他の地方にある学校に通い、今は長期休暇で戻っているらしい。要するに短期間のアルバイトだ。料理長がたまたま{{ namae }}の母親と親しく、常連であったために短期で雇う話になったらしい。
 何かお決まりですか、と{{ namae }}に尋ねられる。アオキは初めて{{ namae }}を直視した。怖いものなんかないと言わんばかりの眼。つるつるの頬。頭巾から覗く手触りの良さそうな髪。
 アオキが{{ namae }}を見れば見るほど、子供のときに飲んだ炭酸ゼリー飲料を髣髴させた。それと同時に、何処か諦めにも似た感情があーあ、と溜息を吐いた。その時アオキは何と答えたかあまり覚えていない。
 暫くすると{{ namae }}の姿が見えなくなった。宝食堂はいつも通りの営業だ。ただそれだけであるのに、何となく寂しいような感情を覚えた。暫くすると{{ namae }}は帰省をして、短期で勤めることとなった。{{ namae }}がいると周りはぱっと明るくなった。若いって良いよねぇ華があるよねぇという常連の雑談を、良い人とかそろそろいないのと料理長が{{ namae }}に放った雑談を、アオキはちっとも面白くもないのに笑い声を上げた。{{ namae }}はいつでも無敵そうな顔をして、あははと声を上げて笑っていただけだった。
 {{ namae }}が勤めている間に、アオキはジムリーダーとしてバトルをすることが一度だけあった。いつもの時間外労働はいつもと変わらず酷く煩わしい。挑戦者が全員見込みのある人ならば少しは血もたぎっただろう。だが、そう言った人物は一つまみほどでしかない。多くの場合、他のジムリーダーたちと同様に乾いた時間でしかない。空腹感にカウンターを見れば{{ namae }}と目が合う。丸い目はきらきらと輝いている。子供のときに見たゼリー飲料と同じくらいかそれ以上だ。テラスタルジュエルよりも、ずっと。
 そう言えば、今日が最後の出勤だと別の客に話していたことを思い出した。
 大部分に属する無味なバトルを終え、アオキは焼きおにぎりを注文した。隣に誰か座る。顔を上げれば私服の{{ namae }}だ。お疲れ様でーすと軽い口調で話した{{ namae }}は、料理長にレモンをトッピングした焼きおにぎりを頼んでいる。料理長がおつかれさんと言いながら{{ namae }}の所に甘いカフェオレが入った缶を置いた。

「アオキさんのバトル、今日初めて見ました」
「そう、でしたか……」

 凄い人なんですねと{{ namae }}は楽しそうに話す。凄いと称賛されてもあまり実感が湧かない。はぁ、と曖昧な返事に留める。お待ちどお、と渡された、大量の焼きおにぎりを乗せた皿を受け取る。醤油の香ばしい香りが鼻腔をくすぐり、食欲が一層湧く。

「そう言えば、今日で終わりなんですよね」

 アオキが切りだせば{{ namae }}は一時的ですけどねと笑った。お疲れ様です、と軽く会釈をすれば、{{ namae }}は缶コーヒーを握った手でピースサインを突き出している。

「来年も宝食堂にいるんでまた来てくださいね」

 {{ namae }}の言葉に、彼女は次は四年生か卒業するんじゃないか、口振りからして四年生なのだろうか、とアオキの脳味噌はどうにもならない答えを弾き出していく。次こそ良い人連れて来なさいよと料理長が言っていた軽口を思い出す。いなかったら自分が立候補するようなことを言っていた他の客の戯言が脳裏を過る。

「{{ namae }}さん、そんな風に気軽に約束を取り付けてはいけない」

 思ったよりも、強い口調だった。アオキは慌てて自身の口許を掌で覆った。吐いた言葉は二度と戻って来ない。周囲の人たちは然程気にしていないようだ。{{ namae }}はきょとんとした顔をしている。

「そういうもんなんですか?」
「……そういうもんなんです」

 ふぅん、と良く解っていないような声を上げている。親心のようなものですと、アオキは咄嗟に付け加えた。自分が親であることも彼女が子供であることも一度も思ったことなんかないのに。心配性なんですねと{{ namae }}はからからと笑っている。アオキはそれ以上何かを言うのは諦めた。黙って焼きおにぎりを食べることにした。
 少しして{{ namae }}にも焼きおにぎりが渡される。味噌汁も注文していたらしく、温かそうな湯気を立てる味噌汁を美味しそうに飲んでいる。
 アオキはそれを横目に香ばしい焼きおにぎりを口に運んでいく。きっと彼女の歩く道は多岐に渡り、それでも明るい道なのだろう。彼女は何処までもきらきらと輝いていた。

2023/01/07
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