- 2023/07/30 :HOME
- 2023/07/30 :アイ・アム・ア・ヒーロー
- 2023/07/30 :所詮エキストラ・通行人B
名前変換
Novel pkmn 今日はえいえんの最初の日(シンオウでウォロと再会/完結)
1 / 2 / 3 / 4 tt5 !+さよならの練習を(男主とオフェンスが過ごす真夏の話/現パロ/完結)
1 /2 /3 /4 /5 /6 /7 /8 /xx other
ワールドエンド
ウォロウォロに散々抱かれた次の日の昼頃、ゆっくりと{{ namae }}は身体を起こした。からくりのお陰でいつでも温かい家。きっと台所に食べる物はあるだろう。{{ namae }}は布団からゆっくりと身体を起こす。窓の外で雪がしんしんと降り積もっている。股からどろりと零れる感覚に、吐き気を覚えなくなったのはいつからだろうか。{{ namae }}はゆっくりと瞬きを落とす。二人で生活をするのに十分な広さのある家の中で友達と呼べるのは、初めて捕まえたポケモンであるムックルだけだった。
ムックルが{{ namae }}に近寄る。{{ namae }}はムックルを撫でる。温かくてふわふわとした手触りだ。嬉しそうに身体を揺すって鳴き声を上げている。{{ namae }}はムックルに笑いかけた。大丈夫、と言い続けていた言葉はいつしか消えた。
{{ namae }}は身を清め、服を着てからムックルを入れたボールと幾ばくかの金を持つ。家にあった薄い黄色の角巻を頭から被った。扉を押すとすんなりと開く。珍しい、と思いながら歩いていく。ムラにはいつもの顔ぶれが揃っている。シマボシの姿を探したが、忙しいのだろう、見つからなかった。
ウォロは{{ namae }}に対して決して乱暴な人ではなかった。どちらかと言えば優しく、博識で、面白い人だ。友人であれば、きっと良い関係を築けただろう。そう、友人のままであれば。気が付けば外堀から埋められていた。どうして周りがそんなにも商人であるウォロと結婚させたがるのか{{ namae }}には理解ができなかった。二人の結婚はイチョウ商会にもコトブキムラにも何も利点があるように思えない。ウォロは嬉しいと言っていた。{{ namae }}は彼が嬉しいなら、それで良いかと飲み下して身体を赦した、筈だった。だがウォロに触れられる度に視線を合わせる度に言葉を掛けられる度に{{ namae }}は落ち着かない気持ちになる。じめりとした不快さが{{ namae }}から落ち着きを無くさせる。最初は気のせいだと言い聞かせていたが、ムラで起こった事件で気のせいでないことが明らかになった。どういった事件だったかは{{ namae }}にとって些細なことだった。ウォロが自身に抱いている感情は最早執着なのだろうと理解した。もう何もかも遅かったのだが。僅かばかりの違和感は時間とともに膨れ上がり、ぱちんと弾けた。
始まりの浜には船が停まっていた。どこかに行くのかと尋ねると知らないムラの名前を言う。{{ namae }}はひっそりと船に乗った。ヒスイ地方から出なければ連れ戻されると理解していたのだ。
暫くして知らない土地に着いた。たまたま辿り着いた先の地方にいた老夫婦は{{ namae }}に良くしてくれた。身重であることが判明し、世話になることにした。少しして{{ namae }}が産んだ子供はその子の父親によく似ていた。執念で産ませられた子だと{{ namae }}はなんとなく理解した。新生児を投げ捨てなかった自身を、半狂乱になって叫ばなかった自身を褒めてやりたいと思えた。{{ namae }}はいつか子供を殺すかもしれないと怯えていたが、幸い{{ namae }}は環境が恵まれていたので子殺しをすることはなかった。
老夫婦は流行り病で亡くなった。泣き疲れて眠った子供を膝に抱いたまま、{{ namae }}は朝まで静かに泣いていた。子供は八つになった。ムラの子供たちと毎日遊んで泥だらけになって帰って来ては楽しそうに今日のことを教えてくれる。{{ namae }}も随分周りに馴染んできていた。いつしか埋め込まれていた恐怖感も嫌悪感も薄れている。ムックルはいつしかムクホークとなり、{{ namae }}の子供の面倒を看てくれている。
今日はどうしようかと考える。今日は天気も良い。子供を連れて買い物に行くのも良い。老夫婦の墓を綺麗にしに行くのも良いだろう。{{ namae }}は家の外に出た。温かな光が春であることを告げている。花を見に行くのも良いかもしれない、と{{ namae }}は小さく笑う。
おかあさーん、と遠くから呼ぶ声がする。おきゃくさーん、と次いでかけられ{{ namae }}は顔を上げて声のする方を見る。客が来る予定等なかった筈だ。{{ namae }}の小指程の大きさではあるが、背の高い男に抱かれた子供が手を振っているのが見えた。普段であれば{{ namae }}は何も思わず手を振り返していただろう。ざわざわと身体の毛と言う毛が逆立つ。得も言われぬ程の不快さが{{ namae }}を襲った。
ムクホークが{{ namae }}の側に降り立った。張り詰めた声を上げている。{{ namae }}は普段であれば興奮するムクホークを宥めていただろう。だが{{ namae }}はただただ男を虚勢で睨みつけるしか出来ない。{{ namae }}はそうっと掌を確かめる。汗でじっとりと湿っている。
男は次第に{{ namae }}の元へやって来る。子供が何か嬉しそうに話しているが、全て脳味噌に到達することなく消えていく。
ムクホークが羽ばたいた。男と子供を吹きすさび、男が被っていた帽子を何処かへと飛ばした。金色の髪が光を浴びて煌めいている。
「お久しぶりです、{{ namae }}さん」
随分探しましたよと柔らかな声が{{ namae }}の背筋をそうっとなぞった。肌がぶわりと粟立つ。
あの男は、{{ namae }}の子を抱き上げて笑っていた。
2023/01/15
ウォロに散々抱かれた次の日の昼頃、ゆっくりと{{ namae }}は身体を起こした。からくりのお陰でいつでも温かい家。きっと台所に食べる物はあるだろう。{{ namae }}は布団からゆっくりと身体を起こす。窓の外で雪がしんしんと降り積もっている。股からどろりと零れる感覚に、吐き気を覚えなくなったのはいつからだろうか。{{ namae }}はゆっくりと瞬きを落とす。二人で生活をするのに十分な広さのある家の中で友達と呼べるのは、初めて捕まえたポケモンであるムックルだけだった。
ムックルが{{ namae }}に近寄る。{{ namae }}はムックルを撫でる。温かくてふわふわとした手触りだ。嬉しそうに身体を揺すって鳴き声を上げている。{{ namae }}はムックルに笑いかけた。大丈夫、と言い続けていた言葉はいつしか消えた。
{{ namae }}は身を清め、服を着てからムックルを入れたボールと幾ばくかの金を持つ。家にあった薄い黄色の角巻を頭から被った。扉を押すとすんなりと開く。珍しい、と思いながら歩いていく。ムラにはいつもの顔ぶれが揃っている。シマボシの姿を探したが、忙しいのだろう、見つからなかった。
ウォロは{{ namae }}に対して決して乱暴な人ではなかった。どちらかと言えば優しく、博識で、面白い人だ。友人であれば、きっと良い関係を築けただろう。そう、友人のままであれば。気が付けば外堀から埋められていた。どうして周りがそんなにも商人であるウォロと結婚させたがるのか{{ namae }}には理解ができなかった。二人の結婚はイチョウ商会にもコトブキムラにも何も利点があるように思えない。ウォロは嬉しいと言っていた。{{ namae }}は彼が嬉しいなら、それで良いかと飲み下して身体を赦した、筈だった。だがウォロに触れられる度に視線を合わせる度に言葉を掛けられる度に{{ namae }}は落ち着かない気持ちになる。じめりとした不快さが{{ namae }}から落ち着きを無くさせる。最初は気のせいだと言い聞かせていたが、ムラで起こった事件で気のせいでないことが明らかになった。どういった事件だったかは{{ namae }}にとって些細なことだった。ウォロが自身に抱いている感情は最早執着なのだろうと理解した。もう何もかも遅かったのだが。僅かばかりの違和感は時間とともに膨れ上がり、ぱちんと弾けた。
始まりの浜には船が停まっていた。どこかに行くのかと尋ねると知らないムラの名前を言う。{{ namae }}はひっそりと船に乗った。ヒスイ地方から出なければ連れ戻されると理解していたのだ。
暫くして知らない土地に着いた。たまたま辿り着いた先の地方にいた老夫婦は{{ namae }}に良くしてくれた。身重であることが判明し、世話になることにした。少しして{{ namae }}が産んだ子供はその子の父親によく似ていた。執念で産ませられた子だと{{ namae }}はなんとなく理解した。新生児を投げ捨てなかった自身を、半狂乱になって叫ばなかった自身を褒めてやりたいと思えた。{{ namae }}はいつか子供を殺すかもしれないと怯えていたが、幸い{{ namae }}は環境が恵まれていたので子殺しをすることはなかった。
老夫婦は流行り病で亡くなった。泣き疲れて眠った子供を膝に抱いたまま、{{ namae }}は朝まで静かに泣いていた。子供は八つになった。ムラの子供たちと毎日遊んで泥だらけになって帰って来ては楽しそうに今日のことを教えてくれる。{{ namae }}も随分周りに馴染んできていた。いつしか埋め込まれていた恐怖感も嫌悪感も薄れている。ムックルはいつしかムクホークとなり、{{ namae }}の子供の面倒を看てくれている。
今日はどうしようかと考える。今日は天気も良い。子供を連れて買い物に行くのも良い。老夫婦の墓を綺麗にしに行くのも良いだろう。{{ namae }}は家の外に出た。温かな光が春であることを告げている。花を見に行くのも良いかもしれない、と{{ namae }}は小さく笑う。
おかあさーん、と遠くから呼ぶ声がする。おきゃくさーん、と次いでかけられ{{ namae }}は顔を上げて声のする方を見る。客が来る予定等なかった筈だ。{{ namae }}の小指程の大きさではあるが、背の高い男に抱かれた子供が手を振っているのが見えた。普段であれば{{ namae }}は何も思わず手を振り返していただろう。ざわざわと身体の毛と言う毛が逆立つ。得も言われぬ程の不快さが{{ namae }}を襲った。
ムクホークが{{ namae }}の側に降り立った。張り詰めた声を上げている。{{ namae }}は普段であれば興奮するムクホークを宥めていただろう。だが{{ namae }}はただただ男を虚勢で睨みつけるしか出来ない。{{ namae }}はそうっと掌を確かめる。汗でじっとりと湿っている。
男は次第に{{ namae }}の元へやって来る。子供が何か嬉しそうに話しているが、全て脳味噌に到達することなく消えていく。
ムクホークが羽ばたいた。男と子供を吹きすさび、男が被っていた帽子を何処かへと飛ばした。金色の髪が光を浴びて煌めいている。
「お久しぶりです、{{ namae }}さん」
随分探しましたよと柔らかな声が{{ namae }}の背筋をそうっとなぞった。肌がぶわりと粟立つ。
あの男は、{{ namae }}の子を抱き上げて笑っていた。
2023/01/15
ムックルが{{ namae }}に近寄る。{{ namae }}はムックルを撫でる。温かくてふわふわとした手触りだ。嬉しそうに身体を揺すって鳴き声を上げている。{{ namae }}はムックルに笑いかけた。大丈夫、と言い続けていた言葉はいつしか消えた。
{{ namae }}は身を清め、服を着てからムックルを入れたボールと幾ばくかの金を持つ。家にあった薄い黄色の角巻を頭から被った。扉を押すとすんなりと開く。珍しい、と思いながら歩いていく。ムラにはいつもの顔ぶれが揃っている。シマボシの姿を探したが、忙しいのだろう、見つからなかった。
ウォロは{{ namae }}に対して決して乱暴な人ではなかった。どちらかと言えば優しく、博識で、面白い人だ。友人であれば、きっと良い関係を築けただろう。そう、友人のままであれば。気が付けば外堀から埋められていた。どうして周りがそんなにも商人であるウォロと結婚させたがるのか{{ namae }}には理解ができなかった。二人の結婚はイチョウ商会にもコトブキムラにも何も利点があるように思えない。ウォロは嬉しいと言っていた。{{ namae }}は彼が嬉しいなら、それで良いかと飲み下して身体を赦した、筈だった。だがウォロに触れられる度に視線を合わせる度に言葉を掛けられる度に{{ namae }}は落ち着かない気持ちになる。じめりとした不快さが{{ namae }}から落ち着きを無くさせる。最初は気のせいだと言い聞かせていたが、ムラで起こった事件で気のせいでないことが明らかになった。どういった事件だったかは{{ namae }}にとって些細なことだった。ウォロが自身に抱いている感情は最早執着なのだろうと理解した。もう何もかも遅かったのだが。僅かばかりの違和感は時間とともに膨れ上がり、ぱちんと弾けた。
始まりの浜には船が停まっていた。どこかに行くのかと尋ねると知らないムラの名前を言う。{{ namae }}はひっそりと船に乗った。ヒスイ地方から出なければ連れ戻されると理解していたのだ。
暫くして知らない土地に着いた。たまたま辿り着いた先の地方にいた老夫婦は{{ namae }}に良くしてくれた。身重であることが判明し、世話になることにした。少しして{{ namae }}が産んだ子供はその子の父親によく似ていた。執念で産ませられた子だと{{ namae }}はなんとなく理解した。新生児を投げ捨てなかった自身を、半狂乱になって叫ばなかった自身を褒めてやりたいと思えた。{{ namae }}はいつか子供を殺すかもしれないと怯えていたが、幸い{{ namae }}は環境が恵まれていたので子殺しをすることはなかった。
老夫婦は流行り病で亡くなった。泣き疲れて眠った子供を膝に抱いたまま、{{ namae }}は朝まで静かに泣いていた。子供は八つになった。ムラの子供たちと毎日遊んで泥だらけになって帰って来ては楽しそうに今日のことを教えてくれる。{{ namae }}も随分周りに馴染んできていた。いつしか埋め込まれていた恐怖感も嫌悪感も薄れている。ムックルはいつしかムクホークとなり、{{ namae }}の子供の面倒を看てくれている。
今日はどうしようかと考える。今日は天気も良い。子供を連れて買い物に行くのも良い。老夫婦の墓を綺麗にしに行くのも良いだろう。{{ namae }}は家の外に出た。温かな光が春であることを告げている。花を見に行くのも良いかもしれない、と{{ namae }}は小さく笑う。
おかあさーん、と遠くから呼ぶ声がする。おきゃくさーん、と次いでかけられ{{ namae }}は顔を上げて声のする方を見る。客が来る予定等なかった筈だ。{{ namae }}の小指程の大きさではあるが、背の高い男に抱かれた子供が手を振っているのが見えた。普段であれば{{ namae }}は何も思わず手を振り返していただろう。ざわざわと身体の毛と言う毛が逆立つ。得も言われぬ程の不快さが{{ namae }}を襲った。
ムクホークが{{ namae }}の側に降り立った。張り詰めた声を上げている。{{ namae }}は普段であれば興奮するムクホークを宥めていただろう。だが{{ namae }}はただただ男を虚勢で睨みつけるしか出来ない。{{ namae }}はそうっと掌を確かめる。汗でじっとりと湿っている。
男は次第に{{ namae }}の元へやって来る。子供が何か嬉しそうに話しているが、全て脳味噌に到達することなく消えていく。
ムクホークが羽ばたいた。男と子供を吹きすさび、男が被っていた帽子を何処かへと飛ばした。金色の髪が光を浴びて煌めいている。
「お久しぶりです、{{ namae }}さん」
随分探しましたよと柔らかな声が{{ namae }}の背筋をそうっとなぞった。肌がぶわりと粟立つ。
あの男は、{{ namae }}の子を抱き上げて笑っていた。
2023/01/15
about
非公式二次創作夢サイト。公式及び関係者様とは一切関係ありません。様々な友情、恋愛の形が許せる方推奨です。
R-15ですので中学生を含む十五歳以下の方は閲覧をお控えください。前触れも無く悲恋、暴力的表現、流血、性描写、倫理的問題言動、捏造、オリジナル設定、キャラ崩壊等を含みます。ネタバレに関してはほぼ配慮してません。夢主≠主人公です。
R-18作品についてはワンクッションがあります。高校生を含む十八歳未満の方は閲覧をお控えください。
当サイトのコンテンツの無断転載、二次配布、オンラインブックマークなどはお控えください。同人サイト様のみリンクフリーです。
site:無敵
URL:https://www.fya.jp/~ticktack/
master:ニーナ(別名義でCP活動もしていますnote)
R-15ですので中学生を含む十五歳以下の方は閲覧をお控えください。前触れも無く悲恋、暴力的表現、流血、性描写、倫理的問題言動、捏造、オリジナル設定、キャラ崩壊等を含みます。ネタバレに関してはほぼ配慮してません。夢主≠主人公です。
R-18作品についてはワンクッションがあります。高校生を含む十八歳未満の方は閲覧をお控えください。
当サイトのコンテンツの無断転載、二次配布、オンラインブックマークなどはお控えください。同人サイト様のみリンクフリーです。
site:無敵
URL:https://www.fya.jp/~ticktack/
master:ニーナ(別名義でCP活動もしていますnote)
bookmark
COMPASS LINK/色彩contact
何かありましたらお気軽に