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Novel pkmn 今日はえいえんの最初の日(シンオウでウォロと再会/完結)
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tt5 !+さよならの練習を(男主とオフェンスが過ごす真夏の話/現パロ/完結)
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臆病者たちよ

ペパー
!クリア後

 アカデミーから少し離れた野原は比較的温厚なポケモンが多く、ピクニックするには最適の場所だ。そこにある木陰でペパーがマフィティフに身体を預けて眠っている。{{ namae }}は静かにペパーに近付いた。料理の本やスパイスに関する本などが散らばっている。そのうちの一冊を読んでいる途中で眠ってしまったらしい。そういえば学校最強大会の二つ名が秘伝の料理人だっけ、料理人になるのかなとペパーのこれからの進路のことを考えた。
 マフィティフが目を開けて、{{ namae }}を振り返る。{{ namae }}はマフィティフにしーっと声を掛けた。ペパーを起こしてしまいたくはなかった。少ししてマフィティフは元の姿勢をとり、瞼を下ろした。一人と一匹の寝息が聞こえる。{{ namae }}は辺りを見渡す。野生のポケモンも温かな太陽の光を浴びながらうたた寝をしている。確かにお昼寝をするには絶好の場所だ。子供のときもピクニックに行って寝てしまっていたことを思い出し、小さく笑う。

「ペパー、あのね」

 静かに{{ namae }}の声が響く。ペパーはすやすやと寝息を立てている。{{ namae }}はペパーを起こさないように声を少しだけ小さくさせた。心地良い風が{{ namae }}の髪を撫で、ペパーの頬を撫でる。{{ namae }}が一方的ではあるが、ペパーと話すのは実に久し振りだ。

「少し前に隣のクラスの男の子に告白されて、付き合ってみたの」

 でも、あんまり楽しくなくてと{{ namae }}の言葉が次第に小さくなる。{{ namae }}は困ったように眉尻を下げる。
 課外授業が始まる前のことだ。{{ namae }}はあまり面識のない、一つ二つほど年上の男の子に告白された。その時一緒にいた友達に付き合ってみなよと言われるままに付き合ったのだ。人を楽しませようとしてくれる人ではあったが、{{ namae }}にとって居心地が酷く悪く、その場から逃げ出してしまいたくなる程だった。友達やペパーであればあっという間に到達する筈の距離だったのに、二人で歩いた寮までの道は気が遠くなる程長く感じた。課外授業があるうちは目的が異なるので、一緒になることはない。課外授業が終われば、と考えれば考えるほど{{ namae }}の気分は鉛のように重たくなる。

「友達は最初だから緊張してるだけって言うけど、このままずるずる続けるのって相手にも失礼な気がして……」

 遠くの方で{{ namae }}を呼ぶ声がする。振り返ると友達が遠くの所で手を振っているのが見えた。{{ namae }}のは友達に手を振り返し、眠っているペパーにまたね、とだけ告げて友達の方へと走り去った。
 少しして、ペパーは瞼を上げた。木々の合間から零れる光がちらちらと自身を照らしている。ゆっくりと上体を起こす。{{ namae }}の姿はもうどこにもない。ペパーは溜息を吐き出す。多分、{{ namae }}はそのまま好きでもない男と恋人関係でいるのだろう。起きていることを{{ namae }}に知らせれば{{ namae }}は側にいたのだろうか。
 うたた寝をしているときに{{ namae }}が来てペパーは酷く驚いた。{{ namae }}にどう接したら良いのか解らないのだ。{{ namae }}から打ち明けられたことを反芻する。未だ信じられない気持ちがする。いつの間に、本人の意思ではないとはいえ、付き合う人が出来たのか驚きの連続だ。ペパーは呻くような声を上げて自身の頭を抱えた。確かに{{ namae }}は少し気が弱いきらいがある。でも、だからって、と呻くような声がペパーの口から零れた。幼い頃から{{ namae }}は何も変わっていないと思っていたし、自分が側にいて当たり前だと思っていた。そうでないことが本人の口から明らかになったわけだが。
 {{ namae }}の様子から判断するに、特に何もしていないようだが、ペパーは気が気でない。本人に質問すれば彼女はきっと答えてくれるだろう。だが{{ namae }}からキスだって添い寝だってその先のことだって済ましていると言われたら、どういう感情が原因か解らないが、きっと倒れてしまうだろうと自信があった。
 別にペパーは{{ namae }}の家族でも恋人でも何でもない。ただの幼馴染で、友達だ。{{ namae }}には{{ namae }}の交友関係がある。{{ namae }}の交友関係にまでペパーが何かを言う資格も権利もきっとない。恐らく{{ namae }}の友達と、その男とやらが繋がっているのだろうと安易に想像できた。生憎どの男とまでは絞り込めなかったが。
 マフィティフがペパーを見る。つぶらな瞳が寂しそうに見える。きっと{{ namae }}と遊びたかっただろうにと推測で来た。ペパーはマフィティフの顔をわしわしと撫でる。
 {{ namae }}にやめろと言うだけならば簡単だ。スマホロトムを起動し、{{ namae }}の番号に接続さえすればいつでもできる。しかし誰かにどうしてと尋ねられたらきちんと答えられる気はしない。誰かに放っておいてと言われるとそれ以上の干渉をすることは出来ない。
 日が少し傾いたせいか風が冷たい。ペパーはアカデミーの方を見た。アカデミーは日の光を反射してきらきらと輝いている。風が吹いた。それはペパーの背中を撫でてアカデミーの方へと駆けて行った。

2023/01/04
!クリア後

 アカデミーから少し離れた野原は比較的温厚なポケモンが多く、ピクニックするには最適の場所だ。そこにある木陰でペパーがマフィティフに身体を預けて眠っている。{{ namae }}は静かにペパーに近付いた。料理の本やスパイスに関する本などが散らばっている。そのうちの一冊を読んでいる途中で眠ってしまったらしい。そういえば学校最強大会の二つ名が秘伝の料理人だっけ、料理人になるのかなとペパーのこれからの進路のことを考えた。
 マフィティフが目を開けて、{{ namae }}を振り返る。{{ namae }}はマフィティフにしーっと声を掛けた。ペパーを起こしてしまいたくはなかった。少ししてマフィティフは元の姿勢をとり、瞼を下ろした。一人と一匹の寝息が聞こえる。{{ namae }}は辺りを見渡す。野生のポケモンも温かな太陽の光を浴びながらうたた寝をしている。確かにお昼寝をするには絶好の場所だ。子供のときもピクニックに行って寝てしまっていたことを思い出し、小さく笑う。

「ペパー、あのね」

 静かに{{ namae }}の声が響く。ペパーはすやすやと寝息を立てている。{{ namae }}はペパーを起こさないように声を少しだけ小さくさせた。心地良い風が{{ namae }}の髪を撫で、ペパーの頬を撫でる。{{ namae }}が一方的ではあるが、ペパーと話すのは実に久し振りだ。

「少し前に隣のクラスの男の子に告白されて、付き合ってみたの」

 でも、あんまり楽しくなくてと{{ namae }}の言葉が次第に小さくなる。{{ namae }}は困ったように眉尻を下げる。
 課外授業が始まる前のことだ。{{ namae }}はあまり面識のない、一つ二つほど年上の男の子に告白された。その時一緒にいた友達に付き合ってみなよと言われるままに付き合ったのだ。人を楽しませようとしてくれる人ではあったが、{{ namae }}にとって居心地が酷く悪く、その場から逃げ出してしまいたくなる程だった。友達やペパーであればあっという間に到達する筈の距離だったのに、二人で歩いた寮までの道は気が遠くなる程長く感じた。課外授業があるうちは目的が異なるので、一緒になることはない。課外授業が終われば、と考えれば考えるほど{{ namae }}の気分は鉛のように重たくなる。

「友達は最初だから緊張してるだけって言うけど、このままずるずる続けるのって相手にも失礼な気がして……」

 遠くの方で{{ namae }}を呼ぶ声がする。振り返ると友達が遠くの所で手を振っているのが見えた。{{ namae }}のは友達に手を振り返し、眠っているペパーにまたね、とだけ告げて友達の方へと走り去った。
 少しして、ペパーは瞼を上げた。木々の合間から零れる光がちらちらと自身を照らしている。ゆっくりと上体を起こす。{{ namae }}の姿はもうどこにもない。ペパーは溜息を吐き出す。多分、{{ namae }}はそのまま好きでもない男と恋人関係でいるのだろう。起きていることを{{ namae }}に知らせれば{{ namae }}は側にいたのだろうか。
 うたた寝をしているときに{{ namae }}が来てペパーは酷く驚いた。{{ namae }}にどう接したら良いのか解らないのだ。{{ namae }}から打ち明けられたことを反芻する。未だ信じられない気持ちがする。いつの間に、本人の意思ではないとはいえ、付き合う人が出来たのか驚きの連続だ。ペパーは呻くような声を上げて自身の頭を抱えた。確かに{{ namae }}は少し気が弱いきらいがある。でも、だからって、と呻くような声がペパーの口から零れた。幼い頃から{{ namae }}は何も変わっていないと思っていたし、自分が側にいて当たり前だと思っていた。そうでないことが本人の口から明らかになったわけだが。
 {{ namae }}の様子から判断するに、特に何もしていないようだが、ペパーは気が気でない。本人に質問すれば彼女はきっと答えてくれるだろう。だが{{ namae }}からキスだって添い寝だってその先のことだって済ましていると言われたら、どういう感情が原因か解らないが、きっと倒れてしまうだろうと自信があった。
 別にペパーは{{ namae }}の家族でも恋人でも何でもない。ただの幼馴染で、友達だ。{{ namae }}には{{ namae }}の交友関係がある。{{ namae }}の交友関係にまでペパーが何かを言う資格も権利もきっとない。恐らく{{ namae }}の友達と、その男とやらが繋がっているのだろうと安易に想像できた。生憎どの男とまでは絞り込めなかったが。
 マフィティフがペパーを見る。つぶらな瞳が寂しそうに見える。きっと{{ namae }}と遊びたかっただろうにと推測で来た。ペパーはマフィティフの顔をわしわしと撫でる。
 {{ namae }}にやめろと言うだけならば簡単だ。スマホロトムを起動し、{{ namae }}の番号に接続さえすればいつでもできる。しかし誰かにどうしてと尋ねられたらきちんと答えられる気はしない。誰かに放っておいてと言われるとそれ以上の干渉をすることは出来ない。
 日が少し傾いたせいか風が冷たい。ペパーはアカデミーの方を見た。アカデミーは日の光を反射してきらきらと輝いている。風が吹いた。それはペパーの背中を撫でてアカデミーの方へと駆けて行った。

2023/01/04
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