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Novel pkmn 今日はえいえんの最初の日(シンオウでウォロと再会/完結)
1 / 2 / 3 / 4 tt5 !+さよならの練習を(男主とオフェンスが過ごす真夏の話/現パロ/完結)
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お嫁においでよ
アオキアオキと{{ namae }}が同棲するようになってから早数年ほど経った。未だ二人は籍は入れていない状態だ。数年も寝食を共にすれば相手と自分との生活習慣は勿論ちょっとした日常の動作の違いが良く分かる。
例えば{{ namae }}は調味料や洗剤などの在庫を大まかにしか把握していないが、アオキはきちんと把握している。お陰で{{ namae }}が慌ててスーパーなどに駆け込むことがぐんと少なくなった。他にも{{ namae }}は定期的に室内用のスリッパを履き替えているが、アオキはスリッパがどれほど草臥れようとも穴が空いていようともあまり履き替えることがない。二人で何かのついでで買いに行った時にどういうスリッパが好きですかと聞いてみたが何でも良いですよ、と返された。恐らく履けたら何でも良いのだろうと{{ namae }}は判断した。客が来たことを考えると少し恥ずかしいので{{ namae }}はアオキの新しいスリッパを買って帰った。
結婚とは家族とは所詮他人との妥協と譲歩のすり合わせが大事だと母が言っていた。そうかも、と{{ namae }}は今なら理解を示すことができる。幸いアオキも{{ namae }}も強いこだわりはなく、相手に合わせようとするので今の所小さな不愉快さも無く、大きな衝突にならなさそうだと楽観的に見ている。
家事は余裕のある{{ namae }}が主にしており、生活費は主に稼ぎのあるアオキが出している。アオキからアオキ名義の通帳を渡されたときは流石に怖くて受け取れずアオキに返した。だが結婚すればそのうち渡されるのだろうと友達に言われ、{{ namae }}は覚悟した。結婚はいつなの、と友達に言われて、{{ namae }}は黙り込む。そういえば、いつなのだろう。余りにも長く黙っていたからか、友達は自分から言ってみればと提案してくれた。アオキさん、お嫁に来てくれるかなあと{{ namae }}は笑いながら言う。心の裏側に薄暗い膜がべたりと貼り付いている。
今日は二人が休みの日だ。{{ namae }}は撮り溜めていたテレビ番組を朝から消化している。アオキはその隣でぼうっとテレビを一緒に見るだけだ。テレビはあるサスペンス映画を流している。{{ namae }}はその原作小説を読んだことがあるため流れを知っている。テレビの中で若いカップルが丁度婚約指輪を選んでいるシーンだ。二人で肩を並べて指輪を選ぶ姿は微笑ましい。あの指輪のデザイン可愛いですよね、などとのんびり話しながらぼうっと映画を見る。その後のどんでん返しな展開を思い出しつつ、{{ namae }}は普段表情の大きく変わらないアオキがどんな顔をするのだろうかと少し気になった。
はたと{{ namae }}は気が付いた。今テレビの中で若いカップルが指輪を選んでいる。これを話題の切り口にするべきでは、これは却ってチャンスなのでは、きっとプロポーズするなら今なのでは、と{{ namae }}の脳内で物凄い速度で解答が導き出される。
そういえば、アオキさん、となるたけ自然に呼んだつもりだ。何でしょうか、とアオキはテレビから視線を外し、{{ namae }}をじっと見る。
「お、お嫁に……来ます、か……?」
アオキは何も言わない。考え込んでいるのか電源が切れたおもちゃのように黙り込んでいる。テレビから若い二人の笑い声が聞こえる。
盛大に滑った……と{{ namae }}は自身の血の気が引く音を聞いた。{{ namae }}は咄嗟に取り繕ったように笑みを浮かべた。ええと、その、とどうにもならない言葉たちは躓きながらも弾けて行く。何の意味もない手振り身振りはただただ虚しく空を切るばかりだ。アオキの口が一度開き、一文字に閉まられる。少しして唇にゆるりとした弧を描かれた。
「逆ではありませんか?」
ぎゃく、と{{ namae }}はオウム返しをする。逆とは何だと{{ namae }}の頭上に数多の疑問符が浮かんでは弾けていく。
「ああ、すみません、本当はタイミングとか色々考えていたんですが……先に越されてしまって」
「いえ、いや、あのホント、ごめんなさい……?」
謝らんでくださいとアオキは{{ namae }}の手を下から掬うようにして取る。大きな手だなぁと、{{ namae }}は、自身の手をすっぽりと捕まえてしまったアオキの手をしげしげと見た。アオキの手は{{ namae }}よりも体温が高く、{{ namae }}の指先をじわりと温める。指先が乾燥して皮膚がささくれている。今度ハンドクリームを買わないとと{{ namae }}は脳内にメモをする。{{ namae }}さん、と柔らかな声で呼ばれ、{{ namae }}は視線をアオキへとやる。
「お嫁に来てくれますか?」
{{ namae }}はぱちぱちと瞬きをした。言われた言葉を復唱する。アオキは静かに微笑を称えさせている。行っても良いの、と{{ namae }}は問うた。アオキはそうしてくれると嬉しいですと、いつもよりわずかに声を弾ませている。{{ namae }}はそのままぎゅっと強く目を瞑った。心臓がきゅうと締め付けられ、居ても立っても居られないほどの力が湧いてくる。行きます、と言いながら{{ namae }}はアオキに凭れかけた。
今度指輪を買いに行きましょうか、とアオキの静かな声が{{ namae }}の鼓膜を心地良く揺する。{{ namae }}は小さく頷いた。テレビからいかにも平和そうな会話が聞こえて来た。
2023/01/20
アオキと{{ namae }}が同棲するようになってから早数年ほど経った。未だ二人は籍は入れていない状態だ。数年も寝食を共にすれば相手と自分との生活習慣は勿論ちょっとした日常の動作の違いが良く分かる。
例えば{{ namae }}は調味料や洗剤などの在庫を大まかにしか把握していないが、アオキはきちんと把握している。お陰で{{ namae }}が慌ててスーパーなどに駆け込むことがぐんと少なくなった。他にも{{ namae }}は定期的に室内用のスリッパを履き替えているが、アオキはスリッパがどれほど草臥れようとも穴が空いていようともあまり履き替えることがない。二人で何かのついでで買いに行った時にどういうスリッパが好きですかと聞いてみたが何でも良いですよ、と返された。恐らく履けたら何でも良いのだろうと{{ namae }}は判断した。客が来たことを考えると少し恥ずかしいので{{ namae }}はアオキの新しいスリッパを買って帰った。
結婚とは家族とは所詮他人との妥協と譲歩のすり合わせが大事だと母が言っていた。そうかも、と{{ namae }}は今なら理解を示すことができる。幸いアオキも{{ namae }}も強いこだわりはなく、相手に合わせようとするので今の所小さな不愉快さも無く、大きな衝突にならなさそうだと楽観的に見ている。
家事は余裕のある{{ namae }}が主にしており、生活費は主に稼ぎのあるアオキが出している。アオキからアオキ名義の通帳を渡されたときは流石に怖くて受け取れずアオキに返した。だが結婚すればそのうち渡されるのだろうと友達に言われ、{{ namae }}は覚悟した。結婚はいつなの、と友達に言われて、{{ namae }}は黙り込む。そういえば、いつなのだろう。余りにも長く黙っていたからか、友達は自分から言ってみればと提案してくれた。アオキさん、お嫁に来てくれるかなあと{{ namae }}は笑いながら言う。心の裏側に薄暗い膜がべたりと貼り付いている。
今日は二人が休みの日だ。{{ namae }}は撮り溜めていたテレビ番組を朝から消化している。アオキはその隣でぼうっとテレビを一緒に見るだけだ。テレビはあるサスペンス映画を流している。{{ namae }}はその原作小説を読んだことがあるため流れを知っている。テレビの中で若いカップルが丁度婚約指輪を選んでいるシーンだ。二人で肩を並べて指輪を選ぶ姿は微笑ましい。あの指輪のデザイン可愛いですよね、などとのんびり話しながらぼうっと映画を見る。その後のどんでん返しな展開を思い出しつつ、{{ namae }}は普段表情の大きく変わらないアオキがどんな顔をするのだろうかと少し気になった。
はたと{{ namae }}は気が付いた。今テレビの中で若いカップルが指輪を選んでいる。これを話題の切り口にするべきでは、これは却ってチャンスなのでは、きっとプロポーズするなら今なのでは、と{{ namae }}の脳内で物凄い速度で解答が導き出される。
そういえば、アオキさん、となるたけ自然に呼んだつもりだ。何でしょうか、とアオキはテレビから視線を外し、{{ namae }}をじっと見る。
「お、お嫁に……来ます、か……?」
アオキは何も言わない。考え込んでいるのか電源が切れたおもちゃのように黙り込んでいる。テレビから若い二人の笑い声が聞こえる。
盛大に滑った……と{{ namae }}は自身の血の気が引く音を聞いた。{{ namae }}は咄嗟に取り繕ったように笑みを浮かべた。ええと、その、とどうにもならない言葉たちは躓きながらも弾けて行く。何の意味もない手振り身振りはただただ虚しく空を切るばかりだ。アオキの口が一度開き、一文字に閉まられる。少しして唇にゆるりとした弧を描かれた。
「逆ではありませんか?」
ぎゃく、と{{ namae }}はオウム返しをする。逆とは何だと{{ namae }}の頭上に数多の疑問符が浮かんでは弾けていく。
「ああ、すみません、本当はタイミングとか色々考えていたんですが……先に越されてしまって」
「いえ、いや、あのホント、ごめんなさい……?」
謝らんでくださいとアオキは{{ namae }}の手を下から掬うようにして取る。大きな手だなぁと、{{ namae }}は、自身の手をすっぽりと捕まえてしまったアオキの手をしげしげと見た。アオキの手は{{ namae }}よりも体温が高く、{{ namae }}の指先をじわりと温める。指先が乾燥して皮膚がささくれている。今度ハンドクリームを買わないとと{{ namae }}は脳内にメモをする。{{ namae }}さん、と柔らかな声で呼ばれ、{{ namae }}は視線をアオキへとやる。
「お嫁に来てくれますか?」
{{ namae }}はぱちぱちと瞬きをした。言われた言葉を復唱する。アオキは静かに微笑を称えさせている。行っても良いの、と{{ namae }}は問うた。アオキはそうしてくれると嬉しいですと、いつもよりわずかに声を弾ませている。{{ namae }}はそのままぎゅっと強く目を瞑った。心臓がきゅうと締め付けられ、居ても立っても居られないほどの力が湧いてくる。行きます、と言いながら{{ namae }}はアオキに凭れかけた。
今度指輪を買いに行きましょうか、とアオキの静かな声が{{ namae }}の鼓膜を心地良く揺する。{{ namae }}は小さく頷いた。テレビからいかにも平和そうな会話が聞こえて来た。
2023/01/20
例えば{{ namae }}は調味料や洗剤などの在庫を大まかにしか把握していないが、アオキはきちんと把握している。お陰で{{ namae }}が慌ててスーパーなどに駆け込むことがぐんと少なくなった。他にも{{ namae }}は定期的に室内用のスリッパを履き替えているが、アオキはスリッパがどれほど草臥れようとも穴が空いていようともあまり履き替えることがない。二人で何かのついでで買いに行った時にどういうスリッパが好きですかと聞いてみたが何でも良いですよ、と返された。恐らく履けたら何でも良いのだろうと{{ namae }}は判断した。客が来たことを考えると少し恥ずかしいので{{ namae }}はアオキの新しいスリッパを買って帰った。
結婚とは家族とは所詮他人との妥協と譲歩のすり合わせが大事だと母が言っていた。そうかも、と{{ namae }}は今なら理解を示すことができる。幸いアオキも{{ namae }}も強いこだわりはなく、相手に合わせようとするので今の所小さな不愉快さも無く、大きな衝突にならなさそうだと楽観的に見ている。
家事は余裕のある{{ namae }}が主にしており、生活費は主に稼ぎのあるアオキが出している。アオキからアオキ名義の通帳を渡されたときは流石に怖くて受け取れずアオキに返した。だが結婚すればそのうち渡されるのだろうと友達に言われ、{{ namae }}は覚悟した。結婚はいつなの、と友達に言われて、{{ namae }}は黙り込む。そういえば、いつなのだろう。余りにも長く黙っていたからか、友達は自分から言ってみればと提案してくれた。アオキさん、お嫁に来てくれるかなあと{{ namae }}は笑いながら言う。心の裏側に薄暗い膜がべたりと貼り付いている。
今日は二人が休みの日だ。{{ namae }}は撮り溜めていたテレビ番組を朝から消化している。アオキはその隣でぼうっとテレビを一緒に見るだけだ。テレビはあるサスペンス映画を流している。{{ namae }}はその原作小説を読んだことがあるため流れを知っている。テレビの中で若いカップルが丁度婚約指輪を選んでいるシーンだ。二人で肩を並べて指輪を選ぶ姿は微笑ましい。あの指輪のデザイン可愛いですよね、などとのんびり話しながらぼうっと映画を見る。その後のどんでん返しな展開を思い出しつつ、{{ namae }}は普段表情の大きく変わらないアオキがどんな顔をするのだろうかと少し気になった。
はたと{{ namae }}は気が付いた。今テレビの中で若いカップルが指輪を選んでいる。これを話題の切り口にするべきでは、これは却ってチャンスなのでは、きっとプロポーズするなら今なのでは、と{{ namae }}の脳内で物凄い速度で解答が導き出される。
そういえば、アオキさん、となるたけ自然に呼んだつもりだ。何でしょうか、とアオキはテレビから視線を外し、{{ namae }}をじっと見る。
「お、お嫁に……来ます、か……?」
アオキは何も言わない。考え込んでいるのか電源が切れたおもちゃのように黙り込んでいる。テレビから若い二人の笑い声が聞こえる。
盛大に滑った……と{{ namae }}は自身の血の気が引く音を聞いた。{{ namae }}は咄嗟に取り繕ったように笑みを浮かべた。ええと、その、とどうにもならない言葉たちは躓きながらも弾けて行く。何の意味もない手振り身振りはただただ虚しく空を切るばかりだ。アオキの口が一度開き、一文字に閉まられる。少しして唇にゆるりとした弧を描かれた。
「逆ではありませんか?」
ぎゃく、と{{ namae }}はオウム返しをする。逆とは何だと{{ namae }}の頭上に数多の疑問符が浮かんでは弾けていく。
「ああ、すみません、本当はタイミングとか色々考えていたんですが……先に越されてしまって」
「いえ、いや、あのホント、ごめんなさい……?」
謝らんでくださいとアオキは{{ namae }}の手を下から掬うようにして取る。大きな手だなぁと、{{ namae }}は、自身の手をすっぽりと捕まえてしまったアオキの手をしげしげと見た。アオキの手は{{ namae }}よりも体温が高く、{{ namae }}の指先をじわりと温める。指先が乾燥して皮膚がささくれている。今度ハンドクリームを買わないとと{{ namae }}は脳内にメモをする。{{ namae }}さん、と柔らかな声で呼ばれ、{{ namae }}は視線をアオキへとやる。
「お嫁に来てくれますか?」
{{ namae }}はぱちぱちと瞬きをした。言われた言葉を復唱する。アオキは静かに微笑を称えさせている。行っても良いの、と{{ namae }}は問うた。アオキはそうしてくれると嬉しいですと、いつもよりわずかに声を弾ませている。{{ namae }}はそのままぎゅっと強く目を瞑った。心臓がきゅうと締め付けられ、居ても立っても居られないほどの力が湧いてくる。行きます、と言いながら{{ namae }}はアオキに凭れかけた。
今度指輪を買いに行きましょうか、とアオキの静かな声が{{ namae }}の鼓膜を心地良く揺する。{{ namae }}は小さく頷いた。テレビからいかにも平和そうな会話が聞こえて来た。
2023/01/20
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非公式二次創作夢サイト。公式及び関係者様とは一切関係ありません。様々な友情、恋愛の形が許せる方推奨です。
R-15ですので中学生を含む十五歳以下の方は閲覧をお控えください。前触れも無く悲恋、暴力的表現、流血、性描写、倫理的問題言動、捏造、オリジナル設定、キャラ崩壊等を含みます。ネタバレに関してはほぼ配慮してません。夢主≠主人公です。
R-18作品についてはワンクッションがあります。高校生を含む十八歳未満の方は閲覧をお控えください。
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R-15ですので中学生を含む十五歳以下の方は閲覧をお控えください。前触れも無く悲恋、暴力的表現、流血、性描写、倫理的問題言動、捏造、オリジナル設定、キャラ崩壊等を含みます。ネタバレに関してはほぼ配慮してません。夢主≠主人公です。
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